講義No.14532 教育 化学

才能をもつ子どもを伸ばす、学校教育の新しいあり方

才能をもつ子どもを伸ばす、学校教育の新しいあり方

教師教育と才能教育

勉強やスポーツ、芸術など、特定の分野において「特異な才能をもった児童生徒」への指導・支援は、将来の国益につながるほど重要です。「理科」においても特異な才能を示す児童生徒は一定数存在しており、そうした人たちの能力をより伸ばすためには「理科の授業」にとどまらず、「科学研究」を経験させることが有効です。しかし、定められたカリキュラムや学習指導要領がある中で、個別の才能に合わせた教育を行うことは簡単ではありません。教師教育や才能教育といった学問分野では、こうした児童生徒の力を伸ばすために「研究」の要素を取り込んだ教材やプログラムの開発が行われています。

研究のアプローチ

理科の授業で用いる一般的な教材やプログラムが学校の学習内容に沿って作られているのに対して、「研究」を取り入れた教材やプログラムは、その枠を超えたものである必要があります。例えば、プログラムにさまざまな物質を用いて色素を合成する実験を取り入れるとします。そこでは、これまで明らかにされているやり方、つまり既に用意されている正解を導き出すだけでなく、新規の物質や合成の方法を使って新たな発見につなげるという余地をもたせることが大切です。さらにこれらを高校、中学校、小学校とそれぞれの学校種のレベルや教育環境に合わせて簡易化させることで、教育現場での利活用がより容易になります。

教育現場をサポート

研究の要素を加えた教材やプログラムの開発は、特異な才能をもつ児童生徒のためだけでなく、教育全体のレベルを上げて、一般の児童生徒への教育効果を高めることにもつながります。教育大学の重要な役割は、こうした知識や理論を確立し、学生に伝えてより良い教員を養成することにありますが、教育の最終目標はそこではありません。児童生徒たちがもつ才能を最大限に伸ばして、その子どもたちがいつか社会に出て科学の分野で活躍することが本来の目標であり、さらにそうした人材が活躍することで、国全体が豊かになることにもつながるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

鳴門教育大学 学校教育学部 学校教育教員養成課程 理科教育コース 教授 早藤 幸隆 先生

鳴門教育大学 学校教育学部 学校教育教員養成課程 理科教育コース 教授 早藤 幸隆 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

科学教育、理科教育

先生が目指すSDGs

メッセージ

教科書をよく読んでみると、学問研究につながる内容がたくさん含まれています。受験を控えた高校生には教科書から学問につながる内容を見いだすことは難しいかもしれません。教育大学とはそうした要素に目を向けて、教育の体系や学習の本質に触れながら、教員を養成する場所でもあります。本学は、教員就職率が全国一位になった実績もあるほど教員養成に力を入れています。将来教員になりたい、教育に携わりたいと考えているなら、ぜひ私たちとともに学びましょう。

先生への質問

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  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

鳴門教育大学に関心を持ったあなたは

本学は、新構想の教員養成大学として設置された単科大学で、幼児・児童・生徒の成長と発達を理解し、全教科・領域にわたる指導能力を備えた教員を養成しています。
主体的に学び創造的に実践する教師を育成するため、少人数教育によるきめ細やかな指導や豊富な実地教育、PBLを導入した初年次教育、ICT活用指導能力の育成、SDGs時代のグローバル対応、いじめやダイバーシティなど現代教育課題への対応を重視した教育を行っています。これらの取り組みにより、全国トップレベルの教員就職率を維持しています。