子どもの成長をまるごとケア! 子育て中の家族も支える小児看護
小さく生まれた赤ちゃんが育つNICU
NICU(新生児集中治療室)では、早産などで小さく生まれた赤ちゃんや、病気を抱えて生まれた赤ちゃんのケアを行っています。日本では低出生体重児(未熟児)が増加傾向にありますが、日本の新生児医療は世界的に見てもトップレベルにあり、体重が数百グラムで生まれた赤ちゃんの成育も可能になっています。
NICUでは、赤ちゃんが母親の胎内にいるのと同じように過ごせる環境をととのえて、人工呼吸器をつけたり点滴で栄養や薬をあげたりします。赤ちゃんは体重が増えるにつれて自分で呼吸ができるようになり、母乳やミルクが飲めるようになって、やがて退院します。体のすべてがとても小さく、機能が未熟な赤ちゃんの看護には特別なスキルときめ細やかな対応が必要で、NICUでは高い専門性をもつ看護師や助産師が活躍しています。
支援が家族の生活を変えることも
NICUから退院したあと、人工呼吸器や経管栄養などのケアを受けながら育つ「医療的ケア児」が自宅で暮らすケースが増えており、訪問看護やデイサービス、保育所、学校などでそのケアにあたる看護師や助産師のニーズが高まっています。
医療的ケア児の通園・通学は、家族の看護の負担を減らすためにも大切です。キャリアをあきらめていた母親が働けるようになるなど、家族の生活をプラスに変えることにもつながります。小児看護は家族へのケアでもあり、看護師や助産師は子育て中の家族全員を支えているのです。
さまざまな場所でのサポート
子どもたちの健康を守ることも看護師の大きな役割の一つで、例えば地域の保育園や保健センターなどに勤務して子どもたちの保育や乳幼児健診などに携わる人もいます。
子どもの成長・発達に正解はありません。健康な子どもも病気や障害のある子どもも自分なりのペースで大きくなっていきます。看護師はさまざまな場所で、一人一人の子どもの健康と成長をサポートできる仕事なのです。
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先生情報 / 大学情報
創価大学 看護学部 看護学科 教授 長沼 貴美 先生
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