時代と共に家庭科の学びもアップデート! でも、変わらない学びも
変化する家族と住まいのあり方
三世代同居の大家族が当たり前だった時代から、世帯人員は減少の一途をたどり、現在の家族の規模は小さくなっています。住まいにも変化が見られ、一戸建て住宅に住む世帯数が全体では最も多いものの、マンションなどの集合住宅に住む世帯は年々増加する傾向にあります。住まい方も変化し、ふすまや障子のある家が減って、畳のある和室離れが進んでいます。また、家族がそれぞれの部屋でスマホやタブレットで動画を見たりゲームをしたりと、個人に最適化された過ごし方が増えつつあり、間取りにも変化が見られます。人生100年時代となり、家族スタイルの変化によって住まいも大きく変わりつつあります。
住まいは生活の器
家庭科の学びは、衣食住のほかに少子高齢化に伴う家族のあり方、自立した消費者となるための消費行動、持続可能な社会の構築を目指す環境など、幅広い領域をカバーします。その中で住まいに関する「住教育」は、ほかに比べると生徒たちの関心は薄いという傾向があります。住まいは、私達の生活を支える基盤です。近年増加している自然災害に備えるためにも、日頃から住まいに関心をもって、安全な住まいづくりをしなければなりません。そこで、住まいに対する興味や関心を引き出すために、授業では導入部分にストーリー性のある教材を用いて共感を誘ったり、ICTを活用して住まいの構造を立体的に把握させたりと、さまざまな工夫がなされています。
家庭科で学ぶものは
時代の変化を受けて、学びの内容はアップデートされています。しかし、いかに技術が発達して生活が便利になったとしても、変わらない学びもあります。便利な時代だからこそ、ミシンを用いた裁縫や手づくりハンバーグの調理実習をします。ものづくりの楽しさ、できあがりの達成感、友だちと一緒に作業する喜びなど、学校の授業でしか味わえない感動もあります。ものづくりの経験が、これからの暮らしに役立ち、生活の充実にもつながっていくのです。
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先生情報 / 大学情報
鳴門教育大学 学校教育学部 学校教育教員養成課程 家庭科教育コース 教授 速水 多佳子 先生
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