発達障がいの子育てを応援する父親トレーニングの開発
発達障がい児の育児トレーニングとは
育児は楽しいだけとはいかず、大変な場面も多くあります。とりわけ発達障がいの特性を持つ子どもの育児には、専門機関などの支援が重要だと言われています。現在は発達障がい児の両親のために、ペアレントトレーニングという育児支援プログラムが推進されています。これは本来、両親での参加が想定されていますが、ほぼ母親だけの参加なのが実情です。その結果、母親に育児負担が偏っていることが問題になっています。子どもの成長を支えるために、家庭内の役割分担や体制の構築が不可欠でその取り組みが必要とされています。
父親のニーズを明らかにする必要性
なぜ父親の参加が少ないのか、父親たちは何を必要としているのか。実はその多くが分からない状況です。そこで、発達障がい児の父親などに行った調査の結果、父親の育児参加が難しい要因として、勤務時間の調整の難しさなどが明らかになりました。さらに父親の傾向として、保護者の集まりに入ることへの抵抗感や、自分だけで問題解決を図るもうまくいかない状況が見受けられました。一方で、父親が最も必要としているのは、発達障がいを抱えながら子どもが将来どのように成長していくかの情報であることもわかりました。現在は、発達障がい児の父親向け勉強会が企画され、自治体の支援者の協力を得て試験的に開催されています。
新たな父親向けの育児トレーニング
新たなトレーニングの特徴は、通常の対面講座だけでなく、父親たちのライフスタイルに合わせてオンデマンド講座やeポートフォリオの課題などを組み合わせて提供する点です。まずは発達障がいに関する理解を深め、その上で子どもとの関わりについて考えて、さらに家族全体でのサポートのあり方に向き合います。将来的には、両親がそろってペアレントトレーニングが受けられるように、母親と同じ土台に乗せることを目標としています。発達障がい児の父親向けトレーニングプログラムが確立できれば、すべての父親のためのプログラムの仕組みとして汎用が期待されています。
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