よい保育者になるために大切なこと~保育者の力量形成~

よい保育者になるために大切なこと~保育者の力量形成~

「保育の質は、保育者の質」

幼稚園や保育所では、一見、子どもたちを楽しく遊ばせているだけのように見えるかもしれません。しかし、乳幼児期の子どもにとって「遊び」は重要な学びと発達の場なのです。子どもたちは遊びを通してさまざまなことを経験しながら学び、心、体、知、社会性が発達していきます。保育者(幼稚園・保育所の先生)の主要な役割はその発達を助けることであり、そのために、常に子どもが今何を学んでいるのかを見極め、最適な関わり方を判断していかねばなりません。したがって、子どもたちの発達を促すよい保育(=質の高い保育)を行うためには保育者の力量が不可欠であることから「保育の質とは、保育者の質」と言えるのです。

記録を残し、振り返ることが保育者の質を高める

表面的な理解だけでは、子どもたちに対する最適な関わり方は見極められません。保育の出発点は、行動や表情、仕草などから「子どもを理解すること」です。しかし、子どもの理解は保育者の専門的力量の中でも最も難しいことの1つです。子どもの理解のために重要なのが、日々の保育を記録し自分の関わり方を振り返る「省察(せいさつ)」です。省察は、大学の保育実習や演習の中でも重要な課題として取り上げられますが、保育者になってからも日々の省察の繰り返しが保育者としての専門性をさらに高め、保育の質を向上させていくのです。

ずっと学び続けていくことが大切

保育学の学びは先生になることがゴールではありません。保育の現場では、多様な子どもたちを理解し、大学では学べなかったさまざまな問題の解決が求められます。そのため、質の高い保育を続けるためには、新任の保育者になってからキャリアを積む過程において、大学での知識と経験を基礎に、研修や学習などを通して学び続けることがとても大切です。たくさんの子どもたちの発達を質の高い保育で支え続けることが保育学の学びのゴールなのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

甲南女子大学 人間科学部 総合子ども学科 教授 上田 淑子 先生

甲南女子大学 人間科学部 総合子ども学科 教授 上田 淑子 先生

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保育学、幼児教育学

メッセージ

甲南女子大学総合子ども学科では、将来、子どもに関わる仕事をしたいと思っている学生の教育を行っています。
私の専門は保育学です。保育とは、未来を担う子どもたちの発達を援助する、やりがいのある大切な分野です。保育にとって一番大切なのは子どもの心や行動を理解することです。そのためには、保育理論などの専門的な知識とともに経験を通した学習が必要です。私の研究室では、遊びの意義を考えたり、実際の保育現場を観察したりすることで、子どもへの理解を深めています。一緒に保育学を学びませんか。

先生への質問

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甲南女子大学は、長い歴史と伝統を受け継ぎながら、国際都市・神戸で女性の自立と活躍を支えます。

【人間科学部 総合子ども学科】
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士の3つの資格・免許取得がめざせます。「子どもを学び、子どもに学び、子どもと学ぶ」を合言葉に、教育・保育・医学・哲学・心理学・社会学など、様々なアプローチから子どもへの理解を深める独自のカリキュラムを設置。将来、保育・教育のプロとして、また未来の親として子どもの発達を正しく支えられる知識と技術が身につきます。