スノーケリングにおける安全学習教材の開発
海での活動のすばらしさと危険性への備え
海は、海洋スポーツ・レジャー・レクリエーションの場として活用されており、活動の一つにスノーケリングがあります。スノーケリングは、水面に浮かんで水中生物や水中の景観を鑑賞し、撮影したり、カメやイルカと遊んだりといった、陸上では味わえない体験が可能ですが、特有の危険性が含まれています。スノーケリング中の事故原因では、80%が溺水、8%が流されて帰還不能と示されています。海の活動での危険性に備えるためには、知識や技術、活動前の情報収集、器材や服装などのさまざまな備えが必要です。
スノーケリングにおける安全学習教材とその内容
海の活動での安全性向上のための取り組みとして、スノーケリングにおける安全学習教材があります。「一人で行動しない」「グループで行動し、お互いに位置や安全を確認しながら活動する」「体調を整え、健康状態を確認してから活動する」「浮力確保や体温低下の対策として、肌の露出が少ない服装、浮力のあるスノーケリング・ジャケットやウエットスーツを着用する」「危険な生物についての知識を備える」「応急処置の方法を身につけ、救急キットを準備する」「自分の技量や健康状態に合った控えめな行動をとる」「海況が悪いときは、絶対に海に入らないようにする」「波や流れ、水温、透明度、天候やその変化にも注意し、安全な水域で活動する」などが示されています。
海と人間のよりよい関係の構築をめざして
海での活動における安全性向上をめざして、海の安全に関連する公的団体、任意団体や指導者養成機関等による教材の提供などの安全教育の側面と、小型船舶におけるライフジャケット着用義務化などの安全管理の両面から取り組みが進められています。
海での活動は、自然体験を通じた教育効果、スポーツを通しての自己実現、海洋リテラシーの向上などさまざまな効果が認められます。海洋と人間のよりよい関係の構築をめざして、多様な実践的な取り組みや実証的な研究が求められています。
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先生情報 / 大学情報
東京海洋大学 海洋生命科学部 海洋政策文化学科 教授 千足 耕一 先生
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