管理栄養士が栄養教育に力を入れる理由

栄養教育はなぜ必要?
栄養は健康の基盤です。必要な栄養素を適切に摂取できなければ、病気のリスクが高まることもあります。しかし、栄養の大切さを知っていても、長年の食習慣を変えるのは簡単ではありません。そこで重要になるのが「栄養教育」です。行動科学理論や行動変容技法、カウンセリング理論を活用し、対象者の食習慣の改善をサポートします。管理栄養士は単に「正しい食事」を伝えるだけでなく、一人ひとりが無理なく健康的な食行動を身につけられるよう支援するのです。
小学生への朝食摂取を促す取り組み
栄養教育では、対象者のライフステージに応じたアプローチが求められます。各年代にどのような課題があり、それを改善するには何をどう教えるのが効果的か、きちんと把握することが重要です。
例えば、小学生を対象とした栄養教育では、子どもたちが楽しく学べる授業が工夫されています。栄養バランスの良い朝食を考えるグループワークや、毎日の食事内容を記録する課題などを通じて、自分の食生活を振り返る機会を提供します。さらに、授業内容をまとめた食育だよりを配付し、保護者にも栄養への関心を持ってもらうことで、家庭全体での食習慣改善につなげます。こうした取り組みは、栄養教育のマネジメントサイクル(アセスメント、計画、実施、評価、改善)に基づいて進められ、より効果的な栄養教育の実現を目指しています。
栄養教育の効果を検証する
栄養教育の成果を確かめるために、事前・事後アンケートなどを活用して行動変容を分析します。しかし、アンケートでは主観的な変化しか捉えられないため、より客観的な指標による評価が求められています。例えば、実際の食事記録や健康指標を用いた追跡調査など、より実態に即した評価方法の確立が課題です。教育の効果を客観的に検証できれば、学校や地域における栄養教育の重要性がさらに認識され、管理栄養士の役割もより高まるでしょう。
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名古屋文理大学健康生活学部 健康栄養学科 助教北川 絵里奈 先生
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