キレイの科学 ~洗濯をするのはなぜ?~
洗剤はシャンプー、柔軟仕上げ剤はトリートメント
洗濯用洗剤やシャンプーの主な成分は、マイナスイオンを持つアニオン界面活性剤やイオンを持たないノニオン界面活性剤で、それが汚れを落とす主な働きを有しています。しかし、柔軟仕上げ剤やリンスの主な成分は、プラスイオンを持つカチオン界面活性剤が使われており、それが繊維や髪の毛に付着し、すべりやすく肌ざわりをよくして、静電気の発生を防ぎます。シャンプーの後にリンスやトリートメントをすると髪がなめらかになり、ブラシなどが通りやすくなるのと同じです。柔軟仕上げ剤は、洗剤と同じような構造をしていますが、汚れを落とす力はほとんどありません。また、洗剤と同様に、柔軟仕上げ剤を適量以上入れても、効果は変わりません。
洗濯用ビーズは洗剤でも柔軟仕上げ剤でもなく
洗濯用ビーズも人気があります。これは、洗剤でもなく柔軟仕上げ剤でもありません。その正体は香りづけや消臭など、香りや臭いに関わるもので、良い香りを衣類につけたり、気になる臭いを消臭する役割があります。洗剤や柔軟仕上げ剤に加えて使うものです。「○○の香り」といったキャッチコピーにひかれて、製品を購入する人も少なくありません。しかし、最近では、香害という新たな生活問題も引き起こしています。本当に必要としているものを選ぶには、科学的な視点で製品の成分やその働きを知っておくことが大切です。
身近な生活の「?」を「!」にする家庭科の学び
この「洗濯の科学」も家庭科の学びの一つです。家庭科では、身の回りのたくさんの「?」を見つけて、それを解決して「!」にしていくことによって、生活を快適かつ豊かにできる学問です。子ども・子育てや高齢者などに関わる「家族・家庭生活」の内容をはじめ、毎日の生活の基本となる「衣食住の生活」、消費者市民社会やSDGsに関わる「消費生活・環境」など、身近な日常生活から社会や地球社会に関わる内容など、その内容は多岐に渡ります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。