頭の良さを手に入れよう
頭の良さとは?
頭の良さとは何か? いわゆる知能、IQ的なものなのか? 他人の心を理解し共感できるこころの力、EQ的なものなのか? それとも、知識の量? いやいや、生きる力?
いまだに決着がついていません。まあ、頭の良さも定義の問題ですから、いろいろな指標をひねり出すことができます。IQ、EQもそうですし、DS脳トレのような前頭葉機能テストもそのひとつです。入学試験も頭の良さを測るものさしのひとつです。
ここでは人の脳で特に発達している前頭葉の三つの働きから、頭の良さを考えたいと思います。情動研究で著名なルドーという脳科学者は、前頭葉を三つの部位に分けました。そして、前頭葉の外側部、こめかみから少し上あたり、そこが「知」にもっともかかわり、目の奥の上、前頭葉の底部は「情」に強くかかわる。左右の脳の内側、前頭葉内側部が「意」にかかわると言っています。
「知」「情」「意」をバランスよく
ざっくりいうと、IQ的なものが外側部に、EQ的なものが底部に、「生きる力」的なものが内側部にかかわるというのです。
ここで大切なことは、前頭葉ひとつとってみても、「知」「情」「意」がみなかかわるということです。「知の力」だけを発達させようとすれば、発達させられないこともないのですが、人の気持ちや世の中のニーズがわからなければ、つまり「情の力」がなければ、「知の力」も役に立ちません。
また、やる気や意志力、つまり「意の力」のなくして「知の力」が育つはずもありません。実際、試験問題などを解くとき、前頭葉外側部だけが活動するかというと、そんなことはなく、特に、前頭葉内側部が強く活動します。「意」の支えなくして、「知」は育たないのです。
また、特に高校生ぐらいの年齢で、「情」の部位が再発達することが知られていますから、恋愛をしたり、人ともめたり、仲良くなったり、そういう人間関係をたくさん経験しておくことは、人としてバランスよく育っていく上で必須なのは言うまでもありません。
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先生情報 / 大学情報
公立諏訪東京理科大学 工学部 情報応用工学科 教授 篠原 菊紀 先生
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