バーチャル空間を活用すれば、日常生活がもっと楽しく便利に!
Googleにもあるバーチャル世界
Googleのストリートビュー機能を使って、見知らぬ街角に「立って」みたことはありませんか? パソコンの前にいながら世界各地の通りを歩いたり、名所を見渡したりできるのが面白い点です。これも「バーチャルリアリティ」の一例と言えるかもしれません。ただ、今一つ現実味に欠けています。
空間を自在に歩ける技術
同様の考え方で「ウォークスルー」という技術があります。スクリーンで囲まれた空間に立ち、その場で足踏みをすると、足の動きに応じてスクリーンに映し出される景色が動いていき、実際に歩いているような感覚になるというものです。詳しく言えば、足に付けたセンサーから生じる信号をコンピュータが読み取り、コンピュータ上で、その人が今どの位置からどんな速さで動いているのかを計算し、それと連動して景色が変化するという仕組みです。
実在の街の風景を使えば、通りを散歩している気分になりますし、お化け屋敷の暗い廊下を歩くといった仕掛けも可能です。この技術をさらに応用したのが、Wiiなどの体感型ゲームやアミューズメントパークのアトラクションです。その場で手足を動かせば、バーチャル空間でスポーツができ、またゴーカートやジェットコースターなどもバーチャルな世界で楽しめるのです。
日常での実用化も可能
ウォークスルーの技術は、日常生活にも活用できます。例えば医療の現場でリハビリをする際、歩くと周囲の景色が変わるマシンがあれば、単調な運動も楽しみながらできるでしょう。遠出のできない高齢者などが、自宅周辺を散歩してる気分になるソフトも作れます。また建築分野では、家を建ててから間取りを変えるのは難しいので、建てる前にウォークスルーで図面どおりの空間を歩いて見て回ることができれば、家の仕上がり状態を確認できます。
ウォークスルーをはじめとするバーチャルリアリティを日常にどう生かしていくか、今後はさらに幅広い分野で、実用に向けた技術研究が進んでいくことでしょう。
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