「経営は会計なり」とは、どういう意味か?
会計学はおカネに関する知識と技術
「会計」といえば、レストランなどで食事をした後の支払いをイメージするかもしれません。けれども、本来の会計には、もっと重要な意味があります。突き詰めるなら会計(学)は、おカネに関する知識と技術の集大成と言えます。日本は資本主義の国であり、あらゆる活動におカネが絡んできます。国家、企業、家庭、個人、どの立場にあっても、その活動にはおカネが付き物です。だから会計に関する知識は、人が生きていく上で必要不可欠なものと言っても過言ではありません。特に、資本主義社会の主人公ともいえる企業に関する会計(企業会計)は、「ビジネス言語」ともよばれ、社会人として働く上では、知っていて当然のものとなってきます。
企業活動をおカネの側面からとらえる
企業活動をひと言で表すなら「おカネを稼ぐこと」となります。企業はどのように活動しているでしょうか。まず資金を集めて起業し、集めたおカネを人やものなどに投資します。例えば人を雇い、工場を建てて原料を仕入れるなどするわけです。そして製品を作って販売し、売上代金を回収して従業員に給料を払い、余ったおカネを再び投資に回します。こうした一連のプロセスが企業活動であり、そこには必ずおカネの動きがついて回ります。企業会計とは、「企業の経営活動を金額で把握し、報告すること」です。その時に使われるのが、企業の成績表である「財務諸表」です。
財務諸表から企業の特徴や将来が見えてくる
財務諸表には、どれだけもうけているかを表す「損益計算書」や、どれだけの財産を持っているかを表す「貸借対照表」などがあります。財務諸表をきちんと分析すれば、その企業の経営戦略やビジネスモデルがみえてきます。また、その企業の抱える問題点や将来の課題も発見できるのです。
「経営は会計なり」という言葉があります。これは、会計上の数字を正しくつかみ、それに基づいて今後の経営方針や戦略を決定していくことが、企業活動を健全に続けていくためにとても重要であることを表しているのです。
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