事業者側から見たポイントカードのメリットと戦略
ポイントカードには隠された機能がある
スーパーマーケットやコンビニ、デパートなどでは、商品を購入するごとにポイントが貯まり、次回の買い物に利用できる、そんな「ポイントカード」を発行しています。あなたの財布にも、きっと何種類かのポイントカードが入っていることでしょう。このカードには、顧客を囲い込むという目的もありますが、顧客がどのようなものを買ったかというデータを集めることも行っているのです。
POSデータの弱点とは
顧客の買い物動向の把握は、ポイントカードを発行しなくても可能です。コンビニでアルバイトをしたことがある人ならわかると思いますが、会計の時に店員は、お客の商品のバーコードをスキャンするだけでなく、同時に40代男性、20代女性といった年代や性別のデータを一緒にレジに登録しています。コンビニの本部は、これらのデータを集計し、世代別の顧客の好みを調べ、商品の仕入れなどに役立てているのです。このようなシステムは、「POSシステム」と呼ばれています。ただ、POSデータの欠点として、20代男性の買い物動向など、おおまかなデータしか集められないことや、店員がレジで登録する際に、年代や性別の情報を誤って登録してしまう可能性があることも挙げられます。
ポイントカードに記録された情報を活用する
一方、ポイントカードでは、年代や性別のデータはもちろんのこと、お客自身の購入動向が正確にわかります。アクセサリーをよく買う人だけに宝飾品セールのダイレクトメールを送ったり、来店が少ないお客に割引券を送り買い物を促したりということもでき、企業は効率的に消費者個別のニーズに合わせたプロモーションをすることができます。
ほかにも活用方法はたくさんあると考えられ、特に膨大なデータからこれまでになかった傾向を探り出して活用する「データマイニング」という手法が、企業にとって重要といえるでしょう。近年では、「Tポイント」や「Ponta」など、異業種間共通のポイントカードが登場しており、今後の動向に注目です。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。