困りごと解消・能力向上・生きやすさ支援 AR・VRの可能性

ARとVRの特性を生かす
ゲームなどで活用されるものに、ARやVRがあります。ARは、現実世界にバーチャルな要素を重ねて表示させる技術、VRは完全にバーチャル世界に没入できる技術で、最近ではこれらをあわせてXRといいます。
XRをうまく活用すると、人々が感じている困りごとや生きづらさを解消したり、スキルを身につけたりすることができます。ARは即効性をもって能力をサポートすることに適しており、VRは能力向上のトレーニングに適しています。
VRをスポーツやリハビリ指導に
例えば目的を、コミュニケーションの苦手解消や能力向上とします。ARでは、メガネなどを用いて現実の相手の姿をアニメーションと重ねることで、視線や表情を気にせずに話すことができます。VRなら、面接や会議を想定し、アバターを使ったバーチャル空間で、人前で話すトレーニングができます。さらにVRは視点を変えることができるため、実は一般的な自分視点(一人称視点)よりも、自分自身を前から第三者的に再現する視点の方が、訓練に効果的であることがわかりました。こうした検証には、人の認知や心の影響といった心理学的な手法も活用します。
また、VRは動きのトレーニングにも適しています。スポーツ指導者と自分の動きを、一つのアバターに統合すると、指導者に自分の動きが誘導されて、手取り足取りの指導が受けられます。同じ原理でリハビリも可能です。遠隔で、いつでもどこでも実施可能です。
便利にしすぎない
さらに、今後さらなる普及が予測されるメガネ型デバイスにAIを搭載させて、コミュニケーションを支援する技術もあります。相手の理解度にあわせて自分の言葉を言い換えたり、相手が興味をもつ、会話のきっかけとなる情報をメガネに表示することができます。
ただ、便利すぎると、人は能力を下げる傾向があります。カーナビが当たり前になると、道を覚えられなくなるのと同じです。そうした傾向を考慮しつつプログラムすることで、人を本当に支援することにつながります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
