ビジネスでも人生でも鍵を握るキーワードは「不確実性」
現在において未来を扱う学問
企業の資金調達や投資について研究する「コーポレート・ファイナンス」という学問は、ビジネスの世界において、「将来得られるリターン(収益)のために今どんな意思決定をすべきか」について考えるものです。いわば、現在において未来を扱う学問とも言えます。
この分野で重要なキーワードが、「不確実性」です。ビジネスで何かを目標に設定して行動を起こそうとする時、その目標を達成できる確率がわかれば、実際に行動を起こすべきかどうかを意思決定できるからです。
「ミッション」「ソリューション」「ビジョン」
ビジネスの世界ではまず、ある「ミッション(使命)」について、なぜそれをやるべきなのかをしっかりと考えなければなりません。次に、そのミッションの達成に必要な「ソリューション(解決策)」として、商品やサービスなど、世の中に足りない「不」を埋めるためのものを考えます。そして、そのソリューションによってミッションが達成されると、社会がどう変わっていくかという「ビジョン(構想)」を描くことも大切です。このように考えると、ビジネスの世界では、時間は未来から現在に向けて流れているととらえることもできます。
決め手となるのは情報量
ビジネスにおける不確実性について検討する際、決め手となるのは「情報量」です。行動を起こす前の段階で、今直面している不確実性の正体を見極め、それにレレバント(関連性)のある情報をいかに的確に収集するかが重要なのです。
また、不確実性に対する理解は、ビジネスだけでなく人生にも役立てることができます。何かをめざす「未来」を決めれば、それに向けて「現在」何をすべきかが決まります。時には失敗するかもしれませんが、同じ失敗をくりかえさないように学んで軌道修正しながら進み続ければ、いずれ失敗する原因はなくなり、必ず何らかの目標に到達できます。そうなれば失敗の経験も、肯定できる「過去」になるのです。
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先生情報 / 大学情報
福島大学 経済経営学類 教授 奥本 英樹 先生
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