人を幸せにする都市づくりビジネス、“スマートシティ”
そもそも、「スマートシティ」とは?
「スマートシティ」という言葉を聞くと、日本では「IT技術によって便利になった先進的な都市」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。また、この言葉自体が過去の流行語の一つのように思われているかもしれません。しかし、海外では2005年頃から、「よりよい形での都市づくり」を意味する言葉として、変わらずに用いられ今や巨大なビジネスに発展しています。
都市に匹敵する巨大施設、東京ディズニーリゾート
千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾートは、その膨大な来場者によって昼間の人口が約10万人にまで達する、巨大なアミューズメントパークです。国内の中規模都市に匹敵するこの施設を運営していくためには、それ自体を都市としてとらえ、スマートシティの考え方に基づいて構築し、管理・運用していく必要がありました。
スマートシティにおいて必要な要素は大きく3つに分かれます。1つめは、計画と管理、環境への配慮、2つめは、交通や通信、水道、電力などのインフラやエネルギー、3つめは、人材育成や安全管理です。東京ディズニーリゾートでは、これらの3つの領域において、まさに都市づくりと同じ姿勢で網羅的に取り組んでいて、電力エネルギーの節約や各施設のマネジメント、来場者の安全管理、スタッフの育成、地球温暖化対策などに努めています。
力を出し合いながらゴールをめざす
世界各国でのスマートシティに関わるビジネスは拡大し、巨大な市場を形成しています。ある特定の企業だけがもうかる構図ではなく、よりよい形での都市づくりのために明確に設定されたゴールに向かって、さまざまな企業や団体、人々が力を出し合っていくのが理想であり、それが地域に貢献するスマートシティの本来あるべき姿です。
その場合、力を貸すのが無償のボランティアだけでは長続きしないので、ビジネスとして成立させることが不可欠になります。スマートシティは「人を幸せにするビジネスであるべきだ」とも言えるのです。
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先生情報 / 大学情報
亜細亜大学 都市創造学部 都市創造学科 教授(学部長) 岡村 久和 先生
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