電波で解き明かす、銀河の成り立ち
銀河にはいろいろな種類がある
宇宙にはいろいろな種類の銀河があります。大きく分けると、楕円または円の形をした楕円銀河、渦巻状の渦巻銀河、それ以外の不規則銀河の3つです。地球のある銀河系は渦巻銀河です。渦巻銀河の特徴は、楕円銀河とは違い外側から内側に向かって渦を巻くような模様があることで、星が集まっている部分が光を放って見えています。渦巻銀河の真ん中にはバルジ(膨らみ)という星の集まりがあって、さらにその中心には巨大なブラックホールがあると言われています。
電波望遠鏡で目に見えないものを観測
銀河を観測する方法は、いろいろあります。光学望遠鏡を使って、光を直接目で見て観測するという方法もありますが、電波で観測することもできます。巨大なパラボラアンテナの形をした電波望遠鏡を用いて、宇宙から来る電波を受信して観測することによって、目には見えない塵(ちり)やガスがどのように分布しているのかがわかります。ガスは星の材料になるので、銀河の中でどういう星が生まれているのかがわかるのです。ほかにも、銀河がどう動いているのかを電波で観測することができます。それによって銀河は回転していることがわかっていますし、その銀河にどれだけの質量があるかもわかるのです。また、赤外線や紫外線、X線などで観測したデータと組み合わせることによって、星の年齢や、星の材料となるガスと生まれたばかりの星の位置関係など、より詳しいことがわかるようになります。
宇宙はどのようにできているのだろう?
渦巻銀河の一つである銀河系の中に太陽系があり、その中に地球もあります。どのように星ができているのかがわかれば、銀河系や太陽系がどのようにできているのかを知ることにつながります。銀河を研究することは、私たちはどこから来て、宇宙は将来どうなるのかという根源的な疑問や好奇心に答えるものになるのです。
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先生情報 / 大学情報
明星大学 理工学部 総合理工学科 准教授 小野寺 幸子 先生
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