新しい「ビジネスモデル」でイノベーションを生み出す
事業や企業の寿命が短くなっている
経済のグローバル化や新興国の台頭にともない、市場における企業の競争が激化しています。また、技術の進歩により、既存の事業や産業が破壊されたり、想定していなかった競合企業が出現したりすることも生じています。
その結果、市場に投入した製品が売れ続ける期間が、非常に短くなっています。さらに、製品の寿命だけでなく、事業や企業そのものが存続する期間も短くなっています。このような状況において企業に求められているのは、現在の製品や事業が古くなる前に、これまでにない新しい事業を創造することです。
新しいビジネスモデルの創造
では、これまでにない新しい事業とは、いかにして創造できるのでしょうか。もちろん、優れた技術やアイデアがあることが重要です。しかし、それだけでは、顧客に対して価値のある製品や事業になるとは限りません。市場における機会を適切に見極め、技術やアイデアをもとに競合と差別化された製品をつくり、持続可能な事業の仕組みを構築することが不可欠です。
経営学では、このような事業の仕組みのことを「ビジネスモデル」と呼び、新しいビジネスモデルのデザインが、イノベーションの実現には必要であると認識されています。企業人にせよ、起業家にせよ、変化の激しい時代の中では、新しいビジネスモデルの創造に関わる機会はますます増えていくでしょう。
計画だけでなく、実行した結果から学ぶ
新しい製品や事業を開発するとき、企業は一般的に、十分に市場調査を行った上で綿密な計画を作成します。しかし、これまでにない新しいビジネスモデルを創造するときは、市場調査ではわからないことも多く、事前の計画も困難であるため、実行した結果から学ぶ姿勢も重要です。前例がなく何が正解であるかわからない状況下では、小さく始めてみて、失敗から学ぶことで、成功確率を高められます。走りながら考え、失敗してもあきらめずに何度も挑戦することで、新しいビジネスモデルを創造できる可能性が高まります。
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先生情報 / 大学情報
明星大学 経営学部 経営学科 教授 伊藤 智久 先生
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