「ビッグデータ」で、より多くの人々のニーズを満たす!

「ビッグデータ」で、より多くの人々のニーズを満たす!

コンビニの品ぞろえ

多くのコンビニは、売れ行きのよい人気商品や新商品を中心に販売しています。上位20%の売れ筋商品がお店全体の利益の80%を占める傾向があるからです。ですがローソンでは、エッグタルトのような購入頻度がさほど高くなくても販売し続ける商品も見られるようになりました。なぜならば、エッグタルトは若い女性を中心に繰り返し購入されるため、長い目で見ると十分な利益を生み出すからです。

穴場商品の台頭

どんなビジネスでもリピーターをつかむことが大事です。広告宣伝費をかけて認知度を高め新規顧客を獲得するためには、既存顧客に再購入を促すより5倍もの労力が必要だと言われるからです。少ない販売量でも長期的に売れ続ければ利益につながる「ロングテール」というマーケティングの考え方があり、Amazonもロングテールによる成功企業の一つです。Amazonの特長と言えるのがレパートリーの豊富さで、実店舗に行ってもなかなか見つからないマイナーな商品を手軽に購入できることが話題となり、短期的なニーズは少なくても長期的に売れる商品により売り上げを伸ばしています。

購入データを探れ!

企業がロングテール商品を見つける手掛かりとしているのが購入データです。その入り口となっているのが消費者の持つポイントカードです。カードには顧客のデータが入っていますから、それをたどれば、どの商品がどの性別や年齢層を中心に購入されているかを判断することができます。一方、消費者のスマホや店のレジにもさまざまなデータが蓄積されています。これらのデータをまとめた総称が「ビッグデータ」です。
そのビッグデータから、顧客がどういった商品を購入しているかの行動パターンを探り、息の長い商品や少数派が求めている商品など、利益につながる情報を掘り起こすことを「データマイニング」と言います。人の嗜好(しこう)が多様化した現代において、さまざまな角度からデータを分析して個々人の消費の傾向を見つけ出すことが、ビジネスの成功を左右するのです。

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先生情報 / 大学情報

成蹊大学 経営学部 総合経営学科 教授 山崎 由香里 先生

成蹊大学 経営学部 総合経営学科 教授 山崎 由香里 先生

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経営学

先生が目指すSDGs

メッセージ

ある温泉地では、宿泊客にICカード(Suica/Pasumoなど)を温泉街で利用してもらい、その行動履歴を分析しています。そこから、ファッションショーや花火大会のような1つの場所で鑑賞するイベントよりも、灯篭流しのような川伝いに移動しながら鑑賞するイベントの方が、回遊しながらショッピングができるため、売り上げが高まることがわかりました。人々の行動履歴のようなビッグデータを掘り起こす(マイニング)ことで、さまざまな可能性が見えてきます。高校や大学の文化祭などでのイベント企画にも活用できるでしょう。

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成蹊大学は、経済学部・経営学部・法学部・文学部・理工学部からなる総合大学です。文系・理系のすべての学生が4年間、緑豊かな吉祥寺のキャンパスで過ごすので、所属学部以外の友人との交流や学年を越えたネットワークづくりも可能です。また、先生との距離が近く学生一人ひとりの個性を尊重する少人数教育やキャリア教育が充実しています。さらに、2020年度より、各自が自分の興味関心やニーズに沿った学習を進められるよう副専攻制度を設けます。詳細は成蹊大学ホームページをご確認ください。