IoTとAIを組み合わせて産業に新たな価値を生み出す
勉強机にコンピュータを組み込むと?
IoTは日本語で「モノのインターネット」と訳されます。おおまかに言えば、モノに小さなコンピュータが組み込まれていて、センサから得た情報によってモノが反応することを指します。例えば、勉強机といすにコンピュータが付いていたら、どんなことが考えられるでしょうか? 親子が離れた場所にいても、親は子どもが勉強しているかどうかをチェックできます。「居眠りをしていないか」「何時間ぐらい勉強すると集中力が途切れるか」などもわかります。そうしたたくさんのユーザーの情報を集めたビッグデータを解析することにより、子ども向けの学習サービスや新たな指導方法なども開発できます。
AIが大量データを処理してくれる
ビッグデータの解析にAI(人工知能)を用いると、人が目で見たり、表計算ソフトなどを使って数値を検討したりする作業よりもずっと早く正確に、AIが大量データを処理してくれます。AIは人間が気づかない法則なども見つけてくれます。IoTとAIを組み合わせることによって、データから新しい情報が生み出されるのです。
将来、コンピュータが組み込まれた学習机を無料で提供し、代わりに「データを送ってほしい」と言う企業も出てくるかもしれません。ただしそのためには、いろいろなルールが必要になるでしょう。
IoTが地元企業の生産効率アップに貢献
IoTは工場などモノづくりの現場でも活用されています。町工場にある機械にセンサを付けることで稼働率がわかります。さらには人の動線をチェックしたり、仕事の無駄を確認したりすることで、現場の状況を把握できます。その上で機械と人の動きの無駄を省けば生産性をアップできます。旧式の機械を買い換えたり、人手不足を解消したりすることが簡単にできない中小企業にとって、IoTの活用は有効です。製造業に携わる人の割合が全国で1番多い富山県では特に、IoTが地元企業の生産効率アップにひと役買っています。
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先生情報 / 大学情報
富山県立大学 情報工学部 情報システム工学科 (※2024年4月工学部から再編) 教授 岩本 健嗣 先生
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