若者の消費行動を追え! 新しいマーケティングの可能性とは
若者の消費行動の特徴とは
テレビCMやバナー広告、店員さんのかけ声など、買い物をするにはさまざまなきっかけがあります。今の若者に関して言えば、背伸びしてブランド品を求めたかつてのバブル期とは違い、安く手頃な良い商品という意味の「プチプラ」という言葉が示すように、限定グッズや100均の新製品など、身の丈で楽しむという特徴が見て取れます。
買い手の変化に合わせて、売り手も変化
今は誰もが欲しい情報に自分でアクセスできるため、消費者のニーズが多様になっています。売り手側でもそれを踏まえて、個人の好みや属性に合わせて提供する「1to1マーケティング」が当たり前になりました。企業は一人ひとりのニーズに応えるために、商品をプロトタイプ(既製品)から少しずつカスタマイズ(仕様の変更)ができるよう工夫し、多様性を実現しています。消費者は、高校生の制服の着こなしのように、小さな変化で個性を表現します。
自分の好みや個性を声高にアピールしないのも今の若者の特徴です。SNSには車からファッション、食べ物まで、あらゆるジャンルのさまざまなファンサイトがあります。そうしたコミュニティには必ず気が合う人がいるので、現実で周囲とぶつかることもないのです。
ブランド・コミュニティから売り方を考える
売り手の企業が、こうしたコミュニティの動きを主導するには限界があり、消費者がいかにコミュニティを構築し、参加してくれるかを考えた売り方をする必要があります。そのため、売り手も話題作りをしたり、商品にストーリーを絡めたりと、売り方も大きく変化しています。例えば、「Aのバッグは高級である」「Bの車はエコである」という価値観を確立させることで、ブランドが独り立ちしてブランド・コミュニティができます。消費者が自分の楽しみとしてその写真や情報を交換し合うことで、さらにその輪が広がっていくのです。
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先生情報 / 大学情報
四天王寺大学 経営学部 経営学科 教授 隅田 孝 先生
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経営学、マーケティング論、消費者行動論先生が目指すSDGs
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