講義No.10132 経営学・商学

若者の消費行動を追え! 新しいマーケティングの可能性とは

若者の消費行動を追え! 新しいマーケティングの可能性とは

若者の消費行動の特徴とは

テレビCMやバナー広告、店員さんのかけ声など、買い物をするにはさまざまなきっかけがあります。今の若者に関して言えば、背伸びしてブランド品を求めたかつてのバブル期とは違い、安く手頃な良い商品という意味の「プチプラ」という言葉が示すように、限定グッズや100均の新製品など、身の丈で楽しむという特徴が見て取れます。

買い手の変化に合わせて、売り手も変化

今は誰もが欲しい情報に自分でアクセスできるため、消費者のニーズが多様になっています。売り手側でもそれを踏まえて、個人の好みや属性に合わせて提供する「1to1マーケティング」が当たり前になりました。企業は一人ひとりのニーズに応えるために、商品をプロトタイプ(既製品)から少しずつカスタマイズ(仕様の変更)ができるよう工夫し、多様性を実現しています。消費者は、高校生の制服の着こなしのように、小さな変化で個性を表現します。
自分の好みや個性を声高にアピールしないのも今の若者の特徴です。SNSには車からファッション、食べ物まで、あらゆるジャンルのさまざまなファンサイトがあります。そうしたコミュニティには必ず気が合う人がいるので、現実で周囲とぶつかることもないのです。

ブランド・コミュニティから売り方を考える

売り手の企業が、こうしたコミュニティの動きを主導するには限界があり、消費者がいかにコミュニティを構築し、参加してくれるかを考えた売り方をする必要があります。そのため、売り手も話題作りをしたり、商品にストーリーを絡めたりと、売り方も大きく変化しています。例えば、「Aのバッグは高級である」「Bの車はエコである」という価値観を確立させることで、ブランドが独り立ちしてブランド・コミュニティができます。消費者が自分の楽しみとしてその写真や情報を交換し合うことで、さらにその輪が広がっていくのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

四天王寺大学 経営学部 経営学科 教授 隅田 孝 先生

四天王寺大学 経営学部 経営学科 教授 隅田 孝 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

経営学、マーケティング論、消費者行動論

先生が目指すSDGs

メッセージ

大学に入ったら一生懸命アルバイトをしてください。学業をおろそかにしろという意味ではなく、働くということはマーケター(マーケティング戦略の立案者)になるようなものだからです。アルバイトをすると社会や人のことがよくわかります。失敗もたくさんするでしょうから、いやでも修正案を考えます。
売る側は若者にアピールすることが武器になるので、あなたたちの生活のあらゆるシーンがマーケティングの現場だと言えます。はやりのものを見かけた時、流行する理由やはやらせる方法を探すことで、世の中が違って見えるでしょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

四天王寺大学に関心を持ったあなたは

大阪府南部の閑静な住宅地に位置する文系の総合大学である四天王寺大学。約20万㎡の広大な敷地には、四季折々の樹木や草花があふれ、心の「和」を柱にした教育が行われています。学生主体の活動、COCOROE PROJECTでは、学内外での活動を通して、将来につながる主体的に動く力を身につけます。また、50年以上にわたる教員養成の実績があり、小学校教員採用者数は西日本トップクラス。6月から開催中のオープンキャンパスでは、毎月さまざまなプログラムを用意し、皆様のお越しをお待ちしています。ぜひご参加ください。