保育学で心の発達や行動を分析し、子どもたちを幸せに
子どもを幸せにする保育学
保育学とは、子どもとその周囲の環境に関して、心理学、教育学、健康学、社会学などの視点から研究する学問です。子どもの身体的な発達や心理的な成長、保育の手法などについて学ぶことができ、多くの大学では幼稚園教諭や保育士の資格を取得できるカリキュラムを提供しています。保育学には、言語、人間関係に焦点を当てた分野があり、幼児を理解するための研究が行われています。
子どもの遊びを調査して心の発達を分析
例えば、子どもの遊ぶ様子を録画して、会話ややり取りを記録し、人間関係や言語、心の発達を調べる調査が行われています。研究では、子どもたちが遊びに集中している事例を集めて分析します。遊びの中で子どもが考えたり学んだりする様子を多くの事例から洗い出すのです。
年齢による成長が顕著に現れるのは、子ども同士の「いざこざ」です。他者と遊び始めたころ(三歳ごろ)の子どものいざこざには物の取り合いが多くみられますが、四歳、五歳と、友だちと遊ぶ経験を重ねていくにつれ、お互いのイメージの違いによるもめ事なども見られるようになり、多様化します。研究において「いざこざ」の種類が細かく分析されており、子どもに対する援助の方法は発達過程において異なることが判明しています。
保育者の課題解決を支援
調査の目的は、現場の保育者が直面している不安や課題に対し、適切な援助方法を考察、提案することです。さまざまな事例について分析することを通して、保育者が自らの経験を振り返り、子どもへの対応について客観的に考える機会を提供します。例えば、言葉が未発達な二、三歳児の「いざこざ」に対して、保育者は当事者の話を聴く中で、もめ事の理由を推察し子どもの気持ちを代弁しますが、多くの事例を比較して分析することで、より子どもに対する理解が深まり、より多様に、臨機応変に対応できるようになります。また、ベテランの保育者が経験をもとに行っていることを科学的に分析することでも、多角的な援助の方法を見出すことにつながります。
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先生情報 / 大学情報
四天王寺大学 教育学部 教育学科 准教授 門谷 真希 先生
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