あのチョコレートや食べ放題にも? 光るマーケティングあり!
食べ放題コースにもひそむマーケティング
焼肉の食べ放題の店に行くと、値段が高いコースと安いコース、そして中間のコースの3パターンに分かれていることがあります。その場合、無難に思える中間のコースを選びがちです。このように私たちが何かを購入する際の行動や考え方を「消費者行動」と呼びます。こうした消費者の心理や行動を利用し、店側は最も利益が出る内容を中間の値段のコースとして設定しています。消費者の行動を分析することで、どうすれば消費者が商品を手に取るか、サービスを受けてくれるかを、考えることができるのです。
消費者の心理を巧みに使う
昔から用いられている技法では「フット・イン・ザ・ドア」があります。これは、小さな要求を重ねることで、最終的に大きな要求を受け入れてもらうというやり方です。例えば、訪問販売員が各家庭を訪れ、「ちょっと話を聞いてもらえませんか」とお願いします。そこで受け入れられると「このパンフレットを見てもらえませんか」や「サンプルだけでも試してみませんか」などと小さなお願いを重ね、最終的には販売に結びつけていきます。人は「一度受け入れたら最後まで受け入れてあげたい」という心理があり、その特性を生かしたテクニックといえます。
これからは「価値共創」がトレンド
九州地方のとあるスーパーマーケットで、赤いパッケージのチョコレート菓子がなぜか冬の期間によく売れることがわかりました。調査の結果、お菓子の名前が、九州の方言である「きっと勝つとぉ」に似ていることから、受験のゲン担ぎとして買われているということが判明し、そこからそのチョコレートは「受験生のお守り」として浸透していきました。
これまで、マーケティングの世界では企業が製品やサービスを開発し、その価値を提供するという在り方が主流でしたが、これからは消費者の知識や声に耳を傾けながら共に価値を創造しようとする価値共創という発想が、マーケティングの新たなアイデアを生み出すでしょう。
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先生情報 / 大学情報
愛知学院大学 経営学部 経営学科 准教授 金澤 敦史 先生
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