5秒たってもスキップされない広告を作るには?
広告は嫌われている
動画を見る前に表示される広告をいち早く飛ばしたくて、5秒のカウントダウンをイライラと待つことがあるでしょう。残念ながら、広告は嫌われている存在です。スルーされてしまったら広告の目的は果たせません。「広告をスキップ」のボタンを押されずに最後まで見させて情報を伝えるためには、どうしたらいいでしょうか?
広告に目を向けさせる
広告は「ハッとしてグッとくる」ことが大事です。まずはハッとさせる、つまり、広告に目を向けさせる必要があります。日本では社会的な影響力や人気を考慮したアイドルや有名人をキャスティングすることが多いです。ほとんどの広告クリエイターがそのように考えるため、ユニークな広告をつくるためには単にキャスティングするだけではなく、普段とは違うキャラを演じさせるなどで意外性を引き出して、その人に対する固定観念を楽しく裏切れるかもポイントです。キャスティングに限らずさまざまな手法で「ハッとさせる」ことを狙いますが、共通しているのは、広告にある種の違和感を差し込むことで、スルーされずに1秒でも長く目を向けさせようとするのです。
アピールは時代とともに変化
広告に目を向けさせたら、次はグッとくる、つまり、感情を揺さぶって情報を印象深く記憶させる必要があります。最近の傾向としては、製品の優れた点をアピールするのではなく、また、企業が良い企業だと伝えるだけでなく、「なぜ自分たち企業は社会に存在しているのか」、つまり、存在意義を伝えるコミュニケーションを行う企業が非常に増えています。2020年現在、どの洗剤も、どのシャンプーも、結構ちゃんときれいになります。つまり、性能ではほとんど差がつかないのです。そんな状況では、例えば「わたしたちは世界中のどの企業よりもママのことを応援します」のような、絶対的な存在意義を伝えることで、「買いたい」のような短期的な感情ではなく、生活者に「このブランドとともに生きたい」というような、本質的な想いを持たれることが必要になっています。
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先生情報 / 大学情報
デジタルハリウッド大学 デジタルハリウッド大学院 教授 本多 忠房 先生
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