マーケティングは人を幸せにする学問
ブランドを選ぶのではなくブランドに選ばれている
高級ブランドのお店の前で、「入りにくいな」と思ったことがありませんか?「欲しい!」と心ときめく素敵なデザインの洋服がウィンドウを飾っていても、Tシャツにジーンズのあなたは「またこんど」と思ってしまったかも。ブランドのステータスや価値を表現したその店構えは、暗黙のうちに客を選んでいるわけです。
高級ブランドを例にあげたので、ちょっと極端な話になりましたが、商品開発や広告、企業戦略をふまえたマーケティングでは、消費者ニーズに適応するだけでなく、企業側から価値を発信していくことも重要です。
また、高校生のあなたは「いつか素敵な社会人になって、このブランドを着こなすぞ」と思うかもしれません。将来の市場を育て、消費者を幸せにすることも、マーケティングの役割なのです。
お楽しみは後からついてくる「教育サービス」
「教育サービス」という商品についてはどうでしょう。あなたは近い将来、「大学」という教育サービスを買って「授業評価」というものを経験するかもしれません。講義内容や担当教授に対して、あなたが採点し評価するわけです。
しかし、専門知識が身についていないあなたが下す評価の物差しは、「面白さ」「わかりやすさ」であり、そこにはその分野での専門的な物差しがありません。逆に言えば、知らないから学ぶのです。ほとんどの場合は、卒業後、社会人として活躍してはじめて、大学で学んだ知識や経験が、少しずつ生かされていきます。
ほかの多くの商品やサービスなどは、買えばすぐに暮らしが豊かになり、その価値を手に入れられます。しかし、価値を得るために時間がかかる教育サービスなどでは、買った人が積極的に「参加」し、深く探究することで、その価値や評価が大きく高まります。選んだ大学での経験に価値を見つけだし、人生を豊かにするのは、消費者自身なのです。
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香川大学 経済学部 経営システム学科 教授 藤村 和宏 先生
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