今までにない価値を提案する「デザイン」の世界

今までにない価値を提案する「デザイン」の世界

デザインの概念が変わってきた

「デザイン」の概念が変わってきています。課題の本質がはっきりしていない社会課題などの解決にデザインが重視されています。ここでいうデザインは、従来、一般的でした空間や製品などモノの形やグラフィックなどのデザインでなく、サービスやビジネス、人と人との関係性といった不可視な領域まで広く、さまざまな文脈で活用されています。

「協働」から「共創デザイン」の時代へ

以前のモノづくりは、一つの企業の中でモノをつくり顧客に届けるのが一般的でした。次に、新しい技術を持つ他社などと協力し、お互いの強みを生かしモノの価値を高める「協働」の時代になります。企業がモノの価値を決めるスタイルです。そして現在は、モノをどこで誰と使用したいか? SNSの評判は? お店は?など、顧客の行為に寄り添い、多様な関係者と手を組んで顧客の体験価値を高める「共創デザイン」が重視されています。誰といっしょに考え、どのような価値や体験が生まれるか!が非常に大きな意味を持つのです。
「デザイン」は企業でのモノづくりにとどまらず、すべてのつながりを設計する「共創デザイン」へと変わってきています。あるお茶の企業は、若い世代にお茶を飲んでもらうために、「新しい味のお茶」「お茶を飲む理由」を学生たちと共創、SNSやファッションイベントなどで共同発信しています。

コンセプトイノベーションとは、

技術のイノベーションではなく、新たな視点や価値観に着目して固定概念を打破り、これまでになかった事業コンセプトを生み出すことを「コンセプトイノベーション」といいます。ウーバー・テクノロジーズは、タクシーの配車アプリを手掛けて、自社では車を所有せずにタクシーの最大手企業になりました。またそのシステムを応用して、オンラインで飲食店の食べ物を注文・配達できるサービスも開始しました。今や当たり前のサービスのようになっています。このように、まったく新しい価値、ビジネスをつくりだすこともまた、デザインなのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

長野大学 共創情報科学部 ※2026年4月開設  教授 渡邉 慎二 先生

長野大学共創情報科学部 ※2026年4月開設 教授渡邉 慎二 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

デザイン学

先生が目指すSDGs

メッセージ

デザインは実体験から生まれます。デザインに関心があるなら、ぜひさまざまなことに興味を持ってください。そして、日常生活の中で感じたことを友だちに話したり表現したりして、相手の共感を得る練習をしてみてください。アンテナを張り、新しいことを受け止めると、世界の見え方が変わってきます。本学には、これから新しい学部が誕生します。そこで学んで、急速に変化する世の中を見極める新しい目を持った人になってほしいです。デザイナーの役割は、新しい課題をつくり、技術を動かすことですから。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

長野大学に関心を持ったあなたは

長野大学は、1966年に地域の熱い期待を背負って誕生した「地域立」の大学です。本学は地域にある課題を発見し、地域とともに解決していく実践的な学びを大切にしています。地域には豊かな自然環境や歴史が宿る文化遺産、経済を牽引する産業や観光資源、安心して暮らせるまちづくりなど学びの要素があふれています。地域社会をフィールドに、主体的に考える力や、問題に対して多面的に取り組む力を養いながら漠然とした問題を明確化し、逆境に立ち向かっていける足腰の強い人材を育成します。