環境×国際×教育 持続可能な社会を構築するために

環境×国際×教育 持続可能な社会を構築するために

持続可能な社会実現に必要なもの

地球の自然環境や資源を未来の世代に引き継いでいくために、いま「持続可能な社会」の構築が求められています。ところが、世界は変動性・不確実性・複雑性・曖昧性が増大して先行きが不透明な時代に突入しており、これまでの縦割りの仕組みでは対処できません。さまざまな分野を超えた横断的・統合的な問題解決と、そこから新しい価値をつくりだすことが必要です。それらを踏まえたうえで、持続可能性を実現するための環境・国際・教育の政策研究が行われています。

環境・国際・教育の問題はつながっている

環境問題には社会的・経済的な側面もあり、自然科学だけでは解決できません。持続可能な地域づくりには社会の参加がなくてはならず、そのためにはSDGsへの取り組みを自分事として捉えられるような環境教育が必要です。
環境教育がどうあるべきかは国によって異なります。例えば南アジアの途上国ではゴミは収入源であり、貧困問題との関係が深く、日本のように分別すればよいという単純なものではありません。識字教育も必要です。その国に合わせた教育に環境の要素を織り込むような制度づくりが求められています。
そして日本は、そのようなさまざまな国々とのつながりの中で存在しています。持続可能な社会をつくっていくためには、世界とのつながりの中で日本を捉える地球規模(グローバル)の視点と地域的(ローカル)な視点のどちらもが欠かせません。そこで学校の教師たちに海外研修プログラムに参加してもらい、海外での経験を教育現場に生かしてグローバルとローカルをつなげる「グローカル探究」を行おうという取り組みが進められています。

システム思考とデザイン思考

このように、環境・国際・教育の問題はお互いに深く関係し合い、切り離しては解決できないものです。複雑さを増す世の中にあっては、いろいろな分野をつなげて考える「システム思考」と、過去と現在だけでなく問題解決後の未来を描く「デザイン思考」が大切なのです。

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先生情報 / 大学情報

東京都市大学 環境学部 環境経営システム学科 教授 佐藤 真久 先生

東京都市大学環境学部 環境経営システム学科 教授佐藤 真久 先生

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科学教育学

メッセージ

今日の社会状況は変動性・不確実性が高く、複雑性・曖昧性に富んでいるVUCA社会であると言われています。このような時代であるからこそ物事をつなげ、多様な文脈で意味づけ、多角的に捉え直し、変容の連鎖を生み出す思考形態が求められていると言えるでしょう。さらに、常に社会との関係性の中で状況を把握し解釈するアンテナ力と、自身の考え方と他者の考え方を共有しながら最適解を更新するコミュニケーション力の向上が求められています。是非、夢ナビの学びを自身のものにしながら、今後に活かしていっていただければ幸いです。

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東京都市大学は2009年4月に武蔵工業大学からへ校名を変更。新たに文系2学部、理系2学部、文理複合系1学部を擁する総合大学として発足しました。前身の武蔵工業大学は80年の歴史を持ち多くの卒業生を輩出、日本の産業発展に貢献して来ました。97年には文系・理系複合の環境情報学部、09年には文系の都市生活学部と人間科学部を設立し、工学部から分かれた知識工学部を加えて学問の分野が大きく広がっています。80年の歴史を携え、キラリと光る特徴をもち存在感のある大学を目指す東京都市大学は、常に進化を続けています。