観光で地域を豊かにする方法を考える
観光で地域を経営する
地域を活性化させる切り札の一つが観光です。観光には、宿泊や飲食をはじめ、農業や漁業などの幅広い分野の事業者が関わります。さらに、地域で暮らす住民、地域のインフラを整備する行政も関係者になります。観光で地域を豊かにするためには、観光に関わる人々が協力して、地域を経営するという視点が大切です。つまり、地域が一丸となって、地域のあるべき姿をお互いに共有し、それぞれの損得を超えて、観光事業に関する合意形成や意思決定を行うのです。
観光で地域を豊かにするとは?
観光者が地域を訪問すると、買い物、飲食、宿泊によって、経済的な利益がもたらされます。また、観光者を迎え入れることで、住民の地域への誇りや愛着を高めることにもなります。その一方で、観光者の訪問は、自然環境や住民の暮らしを脅かすような問題も引き起こします。こうしたなかで、環境・社会・経済に配慮した観光である「持続可能な観光」という考え方が重視されてきました。「持続可能な観光」という観点に立てば、観光で地域を豊かにすることの意味は、地域の自然環境が保全され、住民の生活が充実し、その上で、観光者が地域にお金を支払い、高い満足度を得ていることになります。
「地域の思い」に共感する観光者を生み出す
観光で地域を豊かにする方法を考える際には、どのような観光者に訪問してもらうかという視点も重要です。少なくとも、一度きりしか訪問しない観光者、マナーを守らない観光者は、地域にとって望ましい観光者とは呼べません。地域を大切にしてくれる観光者に訪問してもらうことが、観光で地域を豊かにする可能性を高めるのです。そのためには、「地域の思い」に共感する観光者を生み出す「ブランディング」という考え方が役立ちます。これは、「地域の思い」を、さまざまな手法を用いて、観光者に伝え、地域のファンを作ることです。このブランディングによって、観光者は地域の応援団になってくれるのです。
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先生情報 / 大学情報
福知山公立大学 地域経営学部 地域経営学科 准教授 佐藤 充 先生
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