視覚障がい者が活躍! 音声を使ったアプリ開発
生活の質を高める「音声ユーザインタフェース」
「VUI(音声ユーザインタフェース)」が近年登場しました。これは音声による対話を通してサービスを実行できる方式で、その便利さのために注目されています。
スマートスピーカーなどのVUI搭載デバイスは、視覚障がいがある人からも関心を寄せられています。視覚障がいがある20代以上の人を対象に2019年に行ったアンケート調査では、「スマートスピーカーに興味がある」と多くの人が答えました。手などで操作しなくても、VUIを使うことによって音声で家電の操作が簡単にできるなど、生活の質が高まることが期待されています。VUIを搭載する装置もVUIでできることも増えて、今後視覚障がい者のみならず、多くの人にとってさらに生活が便利になるでしょう。
視覚障がい者によるプログラミング
視覚障がい者は自分たち自身でプログラミングすることもできます。パソコンの音声読み上げ機能や点字ディスプレイ等を活用することで多くの画面情報を獲得でき、キーボード操作でプログラミングできます。視覚障がい者はサービスを受ける対象者であるだけでなく、サービスを提供することができる人材でもあるのです。システムエンジニアやアクセシビリティエンジニアとして社会に貢献しており、既に高く評価されています。
VUIにおける視覚障がい者の可能性
VUIを利用したアプリ開発では、どのような機能を音声でどのように実現するかが重要です。その際、視覚障がい者のアイデアが役立っています。日常的に耳で判断する場面が多く、音だけでできることや、わかりやすい対話内容などの知識が豊富だからです。これまでも、全盲の学生が開発したアプリがAlexaスキルアワード2018のファイナリスト賞に選出されたり、プロの開発者に技術や独自のアイデアを認められたりしました。視覚障がいがあるからこその着想や工夫が注目され、視覚障がい者のこの分野での活躍が期待されています。
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筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 准教授 鶴見 昌代 先生
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