IoT普及に欠かせない! どこでも安全につながるネットワーク作り

IoT普及に欠かせない! どこでも安全につながるネットワーク作り

IoTに必要な新たなネットワーク

IoTの普及に欠かせないものが、新たなネットワーク技術です。日本の都市部はどこでもインターネットなどを使用できますが、山奥のようにまだ通信がつながらない場所もあります。基地局を建てても住民が少なく携帯電話会社の採算が合わないこと、地形の問題で基地局を建設できないことなどが原因です。この課題を解決する新たな技術として「センサーネットワーク」の研究が行われています。

防災にも役立つLPWAって?

センサーネットワークの例として、省電力で長距離の通信ができる「LPWA」(Low Power Wide Areaの略)が挙げられます。機械に搭載した電池で動き、基地局がなくても離れた場所にデータを送信可能です。ただし常に通信すると電池の消耗が早まるので、1時間に1回など時間を空けてデータを送信する用途に向いています。例えば防災や獣害対策です。崖崩れの危険性を監視したり、畑への獣の侵入を知らせたりする活用方法が考えられています。
LPWAを普及させるうえで課題となるのが、データ送信のタイミングです。センサーネットワークでは機械がデータを取得すると任意の時間に通信します。しかし大勢が同時に話すと内容が理解できなくなるように、複数の機械が同時にデータを送ると内容が届かなくなることがあります。対策として、通信タイミングを少しずつずらす方法が研究されています。

安全なネットワークを作るために

IoTは悪用される恐れもあることから、利便性と安全性を両立させるためには、ネットワークの監視も必要です。しかし監視はまだ自動化されておらず、人の目で行われています。人の負担を軽減しネットワークの安全を守るために、AIの導入が検討されています。ただしAIの判断が常に正しいわけではありません。もしサイバー攻撃を誤検知したら、社会システムをストップさせる原因になってしまいます。AIの誤検知を減らすため、さらなる研究が求められています。

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金沢工業大学 情報理工学部 情報工学科 ※2025年設置構想中 教授 向井 宏明 先生

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メッセージ

物事は最初からうまくいくことばかりではありませんが、挑戦して無駄なことはないはずです。特に情報通信分野では、いかに多くの失敗をしてきたかが実力に直結します。
予期せぬ事態への対処方法は、すべてがマニュアルに載っているわけではありません。「この方法ではうまくいかない」という事例も、試してみて初めてわかることです。もし大きな不具合が発生したとしても、経験によって迅速に対処できるかもしれません。だからこそ、あなたも失敗を恐れず、興味のあることにどんどん挑戦してほしいです。

先生への質問

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金沢工業大学に関心を持ったあなたは

金沢工業大学では、講義等で「知識を取り込み」、それを仲間との実験・演習の中で「思考・推論」し、組み替え結びつけることで「新たな知識を創造」し、その成果を「発表・表現・伝達」する独自の学習プロセスを全科目で導入しています。さらに高度な研究環境の中で産学協同による教育研究を実践するとともに、夢考房など知識の応用力を高める多彩なフィールドを実現することで、獲得した知識を知恵(応用力)に転換できる「自ら考え行動する技術者」を育成しています。