「ICT教育」が国語科の学びを根本から変える!
広がる「ICT教育」の導入
ビジネスや普段の暮らしの中にも、急速にICT(情報・通信に関する技術)の導入が進んでいますが、教育の場も例外ではありません。生徒たちがスマートフォンやタブレット端末を使いながら受ける授業が増えています。教師は「Google Classroom」、「ロイロノート・スクール」、「Edmodo」といった授業支援用のアプリケーションを活用しながら授業を進めることになります。ICT教育の長所は学び合いの結果や情報を共有できる点です。
アプリを駆使して理解度アップ
例えば、国語の短歌の授業で調べ学習を行うとします。生徒は短歌に使われている表現や作者の意図をインターネットで調べ、アプリケーションを使いプレゼンテーションを行います。意見はクラウド上で共有され、そこで議論を繰り返すことで従来の授業よりも早く共通の納得解を導き出すことができます。
物理や数学であれば、解くべき課題をWeb上に並べ、順番に解かせます。教師は生徒の進捗状況をチェックし、解答が止まっている人の多い問題を指導します。そうすることで生徒がどの程度学習ができているかを把握し、学力の差がある生徒の指導も並行してできるのです。
めざすは「アナログとデジタルの融合」
生徒の理解度を確認するためのノート提出は、ページを撮影して提出するだけとなり、生徒の学習を止めることなく行えます。また夏休みの作文などは書き上げた生徒からWeb上に提出させていけば、教師は早い段階から評価に手を着けることができます。教師の負担が軽減することは明らかです。保護者用アカウントを作成すれば、子どもの学習状況や連絡事項を伝えやすくもなります。
ICT教育というと、ノートとペンを使って行われていた授業をコンピュータに単純に置き換えることだと考える人がいます。しかし、既存のアナログな学習法にもメリットはあります。アナログとデジタルを融合させることで両方の長所を生かすことが「ICT教育」には求められていくでしょう。
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先生情報 / 大学情報
都留文科大学 文学部 国文学科 教授 野中 潤 先生
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