「営業サイエンス」が描く未来のビジネス像
大学で「経営」を学んだ先に
「経営」という言葉から、経営学部には起業やコンサルタントへの就職をめざす学生が多くいます。しかし、現場を知らない経営者やコンサルタントの言葉を信用する部下やお客様がどれだけいるでしょうか。ビジネスの世界で成功を収めようとするのであれば、営業職の経験は不可欠だといえます。「営業」と聞くと売り上げの数字に追われる大変な仕事というイメージを持たれることが多いのですが、実際は理論的な要素も多く、業務内容も多岐にわたります。例えば、契約成立後もお客様と長いお付き合いを続けていくための顧客関係性の維持も大切な業務です。
誰にでも活用できる営業サイエンス
ところが、営業について学ぼうと考えた時、体系的にまとめられた資料はあまり見られません。一般的な書籍も個人の成功事例に依存したハウツー本が多く、売り方についても業界や商品によって大きく異なるため、再現性に乏しいのが実情です。その一方で、営業で成功する人が行っている共通の要素というものが存在します。これまで「根性論」とまとめられていた営業プロセスを客観的に可視化して、誰にでもできるように学べる科学的なアプローチとしての「営業サイエンス」が求められているのです。
営業の機能を持った「ビジネスプロデューサー」
大企業でも中小企業でも、営業職の普遍的な機能は変わりません。目先のものが売れるかどうかだけが営業の仕事ではありません。商品のパッケージやサービスのあり方、事業企画についての考察も必要で、損益分岐など企業会計や、コンプライアンス(法令順守)などビジネス法務についての知識も重要です。
長らく営業職は「セールスパーソン」と呼ばれてきましたが、これからはそれぞれが「ビジネスプロデューサー」であると意識し、マーケティング活動全体に対して主体的に取り組む必要があります。それらすべてがつながった時に、成果として表れます。成果は目に見えやすく、それこそがお客様からの評価なのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪経済法科大学 経営学部 経営学科 教授 登坂 一博 先生
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