ITで企業の未来を切り開く デジタル革命で進化する企業戦略
企業戦略にITを活用
企業におけるIT活用の重要性が高まっています。ただし、従来のようにITシステムを導入するだけでは、競争力を維持できません。業務プロセス全体を詳細に分析して、どの部分にどのようにITを適用すれば生産性が最も向上するかを見極めることが肝要です。そのとき、業務プロセスの変え方と、それが人の働き方に与える影響も併せて考えることも欠かせません。経営戦略としてITの導入をとらえて、トータルにマネジメントしていく視点が求められているのです。
自動搬送ロボットの導入の検討
例として、大規模な物流センターへの自動搬送ロボットの導入を考えてみましょう。まずは人の動きを徹底的に分析してムダな動線を削減することからスタートします。その上で、人をロボットに置き換えた場合にどの程度のコスト削減になるかを検討します。単純な置き換えではコスト削減効果が見込めない場合は、範囲を広げて考えることが大切です。ロボットは休みなく稼働できるため、複数の物流センターを1カ所に集約して24時間稼働とすれば、費用対効果の向上が期待できるかもしれません。このとき、夜間の監視やトラブル発生対応が必要な場合、新たに夜間勤務者が必要になるケースもあるでしょう。集約に必要な費用や発生する人件費も含めて、詳細に検討することが必要です。
未来を見据えた投資判断を
このように、IT技術の進化は企業の運営を大きく変える可能性を秘めています。スマートフォンとインターネットの普及により消費者の利便性は大いに向上しました。物流センターや工場はもちろん、接客業でもロボット導入が進んでいます。AIをはじめとする技術の進化は、今後の企業の成長を支える重要な要素です。目先の費用対効果だけを考えて新技術の導入をためらっていては、競争に置いていかれてしまいます。単なるコスト削減の手段ではなく、企業の成長を加速させるための武器としてITを位置づけて、戦略的に活用していくことが求められているのです。
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