発達する画像認識AIの世界とその活用方法
AlexNetの衝撃
わたしたちの生活は、いたるところでAI(人工知能)の恩恵を受けています。このAIの学習方法の1つにディープラーニング(深層学習)があり、2012年に登場した「AlexNet(アレックスネット)」は、主に画像認識の分野で圧倒的な認識エラー率の低さで注目を集め、第3次AIブームへと突入しました。
そこから現在に至るまで、次々と新しいモデルが開発され、画像認識の精度はますます高くなっています。こういった高精度なAIが手軽に利用できる環境も整ってきたことで、今後はどのようにAIを活用していくかが大きな課題となっていきます。
AIでスポーツ動画の中継を自動化
Googleストリートビューの撮影などにも使われている、360度全方位カメラがあります。これに画像認識のAIを組み合わせると新たな使い道が見えてきます。例えば、サッカーの試合を動画撮影し、いったん人間がAIにカメラワークを覚えさせます。すると、AIは全方位映像の中からボールの位置などを判別して適切なカメラアングルの動画を自動生成するようになっていきます。これまでスポーツの動画中継には多くの人数が必要でしたが、今後開発が進めば、1人でも手軽に中継できるようになっていくでしょう。
画像認識AIのさらなる応用に向けて
こうした画像認識のAIは、すでにスマートフォンでも使われています。例えば、撮影した写真から被写体の種類や人物を自動的に分類している機能などがそれに当たります。AIは人間が集めたデータから学習させますが、学習したAIが実際にどういう判断基準で動いているかは正確にはわかっていません。しかし、AIが持つ独自の学習手法は多くの工学分野で応用が効きます。車の自動運転や医療画像診断などはもちろん、生活に関わるさまざまな課題解決にも役立てることができます。
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先生情報 / 大学情報
福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 教授 山澤 一誠 先生
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