身近になったVR、AR技術の進化はまだまだ止まらない!
VR技術で伝統工芸品を体験
VR(人工現実)やAR(拡張現実)は今や我々の生活においてとても身近なものとなりました。これらの技術はさまざまな分野で応用も進んでいます。例えば、伝統工芸品を題材としたVRプレゼンテーションシステムが開発されています。このシステムでは、3DCGで構築された日本家屋の空間において、襖(ふすま)や障子などの伝統工芸品を実寸大で体験することができます。利用者はHMDを装着して障子を開閉するなどしながら移動して、伝統工芸品を確認します。このシステムを利用することにより、伝統工芸品の販売者が顧客と空間を共有して商談することが可能となります。
AR技術で現実世界を拡張
ほかにも、AR技術を使用したさまざまなスマホアプリが開発されています。例えば、AR技術を使用した動物園アプリがあります。動物園に設置されている動物を解説した実際の掲示板はその多くが日本語で書かれています。このアプリでは、外国からの来園者が、その掲示板にスマートフォンをかざすと、外国語で解説が現実空間に重畳表示される機能を提供しています。この技術の特徴は、あらかじめサーバに登録した掲示板の画像を、画像処理により対象の掲示板と合致する目的言語の掲示板を現実空間に映し出すことです。一方、AR技術を使用した博物館アプリでは、第二次世界大戦後まもなく撮影された市街写真を、それが撮影された場所に行くとAR技術を使って現実空間に映し出すことで、今と昔の姿を比較できます。これは、動物園アプリと違って、GPSの位置情報をもとに昔の映像を呼び出す仕組みになっています。
さらに進化したMR技術
コンピュータやネットワーク技術の発展、さらには安価なHMDの登場により、VR技術は日々進化しており、最近ではMR(複合現実)という技術が登場しています。これは、現実世界の形状を認識することで、現実世界に存在する物体と3DCGを融合し、新しい世界を生み出す技術です。新技術の登場によって、現実を超越した世界が構築されているのです。
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先生情報 / 大学情報
福岡工業大学 情報工学部 情報通信工学科 教授 石田 智行 先生
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