手軽で便利! AIによる未来の文字入力とは
さまざまな文字の「入力手法」
あなたはスマートフォンやパソコンで、どのような方法で文字を入力していますか? パソコンではキーボードによるローマ字入力やかな入力、スマートフォンやタブレットではフリック入力などが現在主流となっています。また、近年は入力した文字をAI(人工知能)が自動的にかな漢字変換をする「予測変換」機能も一般的になりました。こうしたさまざまな入力手法の仕組みは、かゆいところに手が届くようにと研究者たちが研究開発を積み重ねてきたものです。
手元を見ずに文字入力
日本語、英語、中国語と、言語の種類を問わず、人間が意思疎通のために用いる言葉を「自然言語」と言います。文字入力手法のめざすところは、この自然言語を、キーの位置や画面を目で確認することなく入力できる「アイズフリー」の方式と考えられています。現在、アイズフリー方式の主流となっているのは音声入力ですが、これだと利用できるシーンが限られてきます。そのため将来的には「脳波入力」のような、シーンを選ばない新しい入力手法が開発されていくことでしょう。
AIを用いた感情分析手法の開発
また、予測変換のように、AIを使った入力手法の開発も近年は急速に進んでいます。AIに情報を学ばせる方法のひとつに「マルチタスク学習」という手法があります。これは、関連する複数の情報を同時にAIに学ばせることで、AIの判定精度を向上させるというものです。従来は画像認識の分野で広く用いられてきましたが、自然言語の解析にもこの方法が応用可能です。例えば、絵文字とその表情に合った人間の感情を同時に学ばせることで、前後の文脈やシーンに合わせてAIが人間の気持ちに寄り添った適切な絵文字の選択や文章作成を行い、入力を提案してくれるようになるでしょう。また、メールやメッセージの文章からAIが相手の感情を読み取って適切な返事をしてくれるようになるかもしれません。
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岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科 人工知能コース 准教授 松原 雅文 先生
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