車の安全走行にはマイコンのソフトウェア開発が重要
高級車には約100台ものマイコンを搭載
今や電気製品をはじめ、大小さまざまな機器にマイコンが組み込まれ性能を高めるのに役立っています。自動車もそのひとつで、高級車では約5mm角から、大きいものでも約4cm角くらいの約100台ものマイコンが搭載されています。それぞれのマイコンのソフトウェアは、機器の働きや動き方を制御することができ、車の安全性、快適性を高めています。現在、より安全に運転できるようにするソフトウェア研究が多方面で行われています。
ソフトウェアに渋滞かどうかを判断させる
オートマチック車のクリープ現象の制御についても研究されています。クリープ現象とは、ブレーキをゆるめるだけでアクセルを踏まなくても車がゆっくり動き出すことです。周囲を見ながら少しずつ安全に車を発進させたいときには便利な機能です。しかし、渋滞の際に無意識にブレーキをゆるめると、思いがけなく前の車に衝突するという事故につながってしまいます。これを回避するためには、車に搭載したマイコンのソフトウェアに、渋滞の中にいるのか、それとも普通に走っているのかを判断させます。そして、渋滞の中にいる場合にはもし運転者がブレーキをゆるめたとしても制動力を保持させるのです。この機能を持つ車が市販されるにはコスト面や法律面でクリアしなければならない問題があり時間がかかりそうですが、技術的には克服できるめどがついています。
将来は自動制御、自動運転の車が実現可能
自動車は発明当初はエンジンにより速く走ることだけでじゅうぶんでした。その次の時代には快適性が求められました。そして、今やブレーキアシストに代表されるような車の安全性を担保することが求められる時代です。そのためには、ソフトウェアの研究とともに、精度の高いセンサの開発も必要です。これらの分野の研究が進み、さらに機械、電気など多方面の研究者が集まって開発すれば、自動制御、自動運転で安全に走行できる車が技術的には実現できるでしょう。
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