筋肉は体を動かすエンジン-筋トレ前に筋肉を正しく測ろう!
体を動かすのに欠かせない筋肉
筋肉は筋線維という細長い細胞が束になって構成されていて、筋肉が収縮・弛緩することによって姿勢を保持したり、運動したりすることができます。すなわち、体を動かすためのエンジンの役割を果たしています。また、熱の産生による体温維持や、基礎代謝などのエネルギー消費、水分の貯蔵などの重要な役割も担っています。さらには、体を動かす筋肉と種類は異なりますが、心臓や胃、腸などの臓器も筋肉の収縮によって動いています。このように筋肉はさまざまな生命維持活動に欠かせないものです。
筋肉量・筋力・筋質が筋肉評価のポイント
筋肉は年をとると徐々に衰えていくため、いつまでも元気に動けるようにするためには日頃から適度な運動が必要です。最近は家庭用ゲームやインターネットの動画コンテンツを活用して、手軽にセルフトレーニングやケアができるようになってきました。
そこで大切なのが「筋肉を測って評価する」ことです。筋肉の評価指標には、「筋肉量」「筋力」「筋質」などがあり、複数の指標を総合的に見ることが重要になります。筋力とは文字通り筋肉が発揮できる力のことで、エンジンに例えると馬力です。筋質は筋肉の状態を表したもので、例えば筋肉の中に脂肪が多く入り込む、いわゆる「霜降り」状態は筋肉の質が低いといえます。
筋肉の測定・評価で体の機能低下の早期予防へ
加齢とともに筋肉の量と機能が衰えていくことをサルコペニアといいます。このとき、筋肉量が減るから筋力も衰えると考えがちですが、筋質や筋力の低下が筋肉量の減少よりも先に始まるケースがあることが最近の研究でわかってきました。
筋肉量・筋力・筋質といった自分の筋肉の状態を定期的に測って知ることで、トレーニングやリハビリを適切なタイミングで始めることができます。このように筋肉を測り、正しく評価することは、年をとっても元気に歩いたり動いたりできる体を維持し、健康障害を予防することにつながります。
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先生情報 / 大学情報
東海大学 健康学部 健康マネジメント学科 准教授 岡本 武志 先生
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