スポーツをする身体は食事から、「食べる力」をつけよう

成長期のスポーツ選手の栄養・食事の重要性
スポーツ選手の食事は、運動に必要なエネルギー源の確保、競技力の向上、けがの予防など常に健康な体と良好なコンディションで練習や試合に参加できる状態にするために重要です。特に成長期は成長・発育に見合ったエネルギー・栄養素も十分に摂る必要があります。しかし、スポーツ選手でも体重の増加に敏感なことが多く、エネルギー源である糖質(ご飯・パン)を制限しがちです。特に女性は摂取エネルギーが不足すると無月経を引き起こし、その結果エストロゲンという女性ホルモンが減少します。このホルモンは骨を守る役割もあることから疲労骨折が起こりやすくなってしまいます。
成長期にはカルシウムと鉄とが重要
成長期にはカルシウムと鉄が特に必要になります。高校時代は丈夫な骨を作る大切な時期です。けがの回復や集中力を維持するためにも乳製品・小魚などからカルシウムを十分に摂る必要があります。中学生~高校生は、筋肉系の発達が著しく、さらに運動量の増加に合わせて体の血液量も増加し血液の材料である鉄がたくさん必要になります。鉄が不足すると息切れや体のだるさを感じる貧血になります。鉄はレバーや赤身の魚、大豆などに多く含まれています。
練習効果を最大限に発揮させるための食事
質(何を)量(どれだけ)タイミング(いつ)が重要になります。食事の基本形である主食・主菜・副菜・牛乳・果物の5グループを毎日食べることで必要なエネルギー・栄養素をバランスよく摂ることができます。朝食は脳と身体を目覚めさせるために必要です。朝食欠食は学習意欲や体力、気力の低下につながります。試合前は、エネルギー源となる糖質を補給できるように、ご飯、パン、麺類などを中心に食べると良いでしょう。一方で試合、練習後は、肉や魚などのタンパク質が必要です。運動後の筋肉は組織が壊れている状態であり、壊れた筋肉はタンパク質を摂取してぐっすり寝ることで修復します。どんなに疲れていても筋肉の修復と疲労回復のために夕食は必須なのです。
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別府大学食物栄養科学部 食物栄養学科 教授平川 史子 先生
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