スポーツとエコ活動って、どんな関係があるの?
環境問題を自分の問題として認識する
地球温暖化や大気汚染、資源の枯渇など、環境問題は知ってはいても、「スポーツと地球環境問題」と聞くと、「関係があるの?」と驚く人も多いでしょう。地球環境の重要性を頭ではわかっていても、自分の健康に直接影響を及ぼさないと、人はなかなか危機感を覚えません。ところがスポーツが好きな人は、環境問題に敏感です。なぜなら、きれいな空気の中でジョギングをしたいし、きれいな海に潜りたいと思うからです。つまり、環境問題を自分の問題として強く意識することができるのです。
オリンピック招致は環境への配慮も決め手に
スポーツと環境の問題には2つの側面があります。まず、スポーツ施設を造ることなどで自然破壊を起こす「加害者」の側面と、地球環境の変化によってスポーツをする環境が損なわれてしまう「被害者」の側面です。
これらの問題を解決するため、スポーツ界では1990年代後半から積極的に環境保全に努めてきました。その最たる例がオリンピックです。従来、「スポーツ」と「文化」を2本柱としてきたオリンピズム(オリンピック精神)も、現在では「環境」を加えた3本柱になりました。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、招致活動の段階で既に綿密な計画書を提出し、環境保全はもちろん、循環型社会を意識した新たな試みなども盛り込まれていました。
スポーツで環境問題に貢献する
また、近年増えてきているのがスポーツを通じたエコ活動です。例えば「ごみを拾ってきれいな場所でプレーしよう」という呼びかけも、憧れの選手の言葉ならスッと胸に響くものです。そこで各競技団体では、アスリートたちに積極的にメッセージを発信するよう促し始めました。国連でもスポーツの持つ影響力に着目し、環境部門を専門に扱うUNEP(国連環境計画)という機関にスポーツ関連のセクションを設け、世界各地で「スポーツ+環境保全」のプログラムを進めています。このように、スポーツはさまざまな形でエコ活動の一翼を担っているのです。
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東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科 准教授 大津 克哉 先生
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