ユビキタスセンサを活用してウエルビーイングを実現する

ユビキタスセンサを活用してウエルビーイングを実現する

ユビキタスセンサで自分を知る

いつでもどこでも誰でもコンピュータを使える情報環境を「ユビキタスコンピューティング」と呼びます。このような環境は、センサやソフトウエア、ユーザインタフェース、コンピュータネットワークなどで構成されます。スマートウォッチやスマートフォン、ワイヤレスイヤホンなどはユビキタスセンサとして機能しますから、これらを使って自分の状態や行動に関する情報を手軽に測定できます。その中には、脈拍や睡眠時間といった健康やウエルビーイングに役立つものも多数あります。ユビキタスセンサによる測定データをより有効に活用するための研究が進められています。

睡眠の質をあげるためには?

研究の一環として、15名の被検者にセンサを装着してもらい、1カ月間、さまざまなデータを集める実験が行われました。集めたデータを解析した結果、夜の睡眠の質に最も大きく影響するのは、起きている間の血糖値の上下動であることがわかりました。この結果から、血糖値センサを身に付け、血糖値の振れ幅を小さくするように飲食や運動を制御することで、睡眠の質を向上させられることが期待できます。
この研究に限らず、実験で集められたデータは素材であり、そこから何を読み取るかは、分析者の着眼点と技量次第です。最も重要なポイントは、精度のよい数学モデルを作ることです。

感情や行動も工学の研究対象

ユビキタス生体情報センサの開発が進めば、病気の兆候を見つけ、早期に対処することも可能になるでしょう。健康に良い食事や運動の提案や、良い習慣を身に付ける手助けなどもできるようになります。後者の一つとして、犬を育てるゲームが開発されています。決まった時間に犬に食事や散歩を催促されることで、プレイする人も規則正しい生活習慣を身に付けられるというものです。
このような研究はビヘイビア・エンジニアリング(行動工学)と呼ばれます。工学は、モノづくりだけではなく、感情づくりや行動づくりにも役立つのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都先端科学大学 工学部 機械電気システム工学科 准教授 梁 滋璐 先生

京都先端科学大学 工学部 機械電気システム工学科 准教授 梁 滋璐 先生

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ユビキタスコンピューティング

先生が目指すSDGs

メッセージ

よく食べよく寝てよく運動してください。その中でも、頭がよく働くために一番重要なのは運動することです。もちろん勉強も大切で、特に英語とプログラミングをしっかりと勉強してください。研究論文の多くは英語で書かれています。それ以外の情報収集や知識の獲得、コミュニケーションにも英語は必須です。理工学の研究にはプログラミングも欠かせません。実験を伴う分野では、実験データをどう分析するかが研究の要です。分析のためのプログラムを正確に速く書ければ、研究を迅速に進めることができます。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

京都先端科学大学に関心を持ったあなたは

本学は世界で活躍する「人財」を育てる5学部10学科の総合大学です。経済経営学部、人文学部、バイオ環境学部、健康医療学部、工学部、それぞれの学部でグローバル化する現代社会を生き抜く「未来を生み出すチカラ」を身につける教育を展開。専門性に加えて、多くの留学生が学ぶ「国際性が日常のキャンパス」で実践的な英語力を磨くとともに、多様性に適応するコミュニケーション能力、デジタル化に対処できるデジタルリテラシーを高めて、激動する社会に向かって自らを築き、世界レベルで活躍できる人材の輩出を目指しています。