ユビキタスサービスで快適な生活空間や職場環境をサポート

ユビキタスサービスで快適な生活空間や職場環境をサポート

ユビキタスネットワークとは何か?

ユビキタスという言葉を聞いたことがありますか。目に見えない形で、いつでも、どこでも、誰でも恩恵を受けることができる環境や技術を指しています。特に通信の分野では「ユビキタスネットワーク」といって、身の回りのものに埋め込まれたセンサーや通信機器の一つひとつが自律分散的にネットワークを構築し、快適な生活空間や職場環境をサポートする技術として研究されています。

無線のマルチホップ・センサーネットワーク

具体的なネットワーク構築の例として、畑のあちこちにセンサーを置き、それぞれの場の気温や作物の密集具合、成長状況などを管理するという使い方があります。また、工場においてどの生産ラインがどこまで作業が進み、いくつの製品ができあがっているかなどを把握する生産管理的な使い方などが挙げられます。つまり、ある環境内の情報を集約し、分析していく形での応用です。
これらの場合、各センサーは環境内の各フィールドに埋め込まれているので、有線でつなげることは難しく、無線で情報を飛ばすネットワークになります。通信用語で、マルチホップ・センサーネットワークと呼ばれるものです。

デバイス(機器)や通信内容をシミュレーション

ユビキタスネットワークサービスを実用化していくために、センサーや通信機器の組み合わせ、センシング(検知)するデータの容量などを考慮したシミュレーションを行い、効率的なネットワークの制御方法を考えていきます。例えばセンサーは、センシングそのものと、得られたデータを発信することに電力を使います。バッテリーを長持ちさせるためには、発信の電波が弱いもので済むよう、中継ポイントの場所や間隔を調整します。またあるエリアの一番高い数値だけを知りたい場合は2番目以降の数値はいらないので、そのエリア内でデータを集約して必要な数値だけを取り出せば、通信にかかる負荷が軽減されるわけです。さまざまな機器の機能やその制御によって、最も適切なユビキタスネットワークが構築されるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東京都立大学 システムデザイン学部 電子情報システム工学科 教授 朝香 卓也 先生

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通信・情報工学、情報工学

メッセージ

システムデザインの分野は、時代の最先端をいく学問の一つと言えるでしょう。だから日進月歩で、どういう技術が出てくるかわかりません。今あるYouTubeが10年後も同じ形であるとは限らず、もっと新しいネットワークサービスが出てくるかもしれません。既存の焼き直しでない新しい技術を開拓できるという意味では楽しい分野ではないでしょうか。私の座右の銘は「一発ホームランよりヒットの積み重ねをめざす」です。新しいジャンルだからこそ、画期的なものを狙うより、着実に駒を進めて開拓することが大事だと考えています。

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東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。