バーチャルで色付け?! 最新技術で作られた当時の姿を再現!
仏さまはどんな姿をしているか
彫刻や絵画で表現される仏さまは様々な姿をしています。それぞれの姿の情報は、お経にも書かれていますが、言葉の解釈の仕方で変化したり、高僧の意見を取り入れたりしながら、地域や時代ごとにアップデートされてきた姿が現代に伝わっています。怖い顔をした不動明王(ふどうみょうおう)には「変顔」のように見える表情のものもありますが、仏さまの姿には必ず意味があり、その仏の心を伝え、一番きれいに、カッコ良く見える姿で表されています。そうした仏像にカッコいい、かわいい、面白いといった印象を持つことも仏教美術に近づく最初の一歩です。なぜそのように表現されたのかを考えることで、アジアの文化の本質に迫ることもできるでしょう。
新たな発見の可能性
文化財と呼ばれるような仏像の多くは、時代ごとに人々に手を加えられて現代に伝えられてきました。中にはすでにもとの彩色が剥げ落ちてしまっている作品もあります。当時の姿を再現するためとはいえ、文化財に直接色を塗ることはできません。しかし仏像の形をデジタルデータで記録し、コンピュータ上で着色することで、制作当時の人たちが見ていたであろう姿を再現することは可能です。美術史学の分野でも、現代の情報技術を積極的に取り入れた調査研究が進められており、肉眼での観察だけではわからなかった新たな発見が報告されています。
デジタルデータ化で活用が進む
美術作品は年月とともに状態が悪くなり、災害や盗難にあう恐れもあります。ですから今残っている情報を記録し、後世に伝えていくことも、文化財を保護する上で重要な作業です。また、記録したデジタルデータを「バーチャル・ミュージアム」のような形でインターネットで公開すれば、誰でも気軽に作品を鑑賞したり、学びに生かしたりできます。こうしたデジタルアーカイブの取り組みは、貴重な資料を扱う博物館や図書館などでも重要な事業の一つとなり、学芸員や司書をめざす人にもその作業に関わっていくための知識や技術が求められています。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 情報社会学部 情報デザイン学科 ※2024年4月開設 准教授 見田 隆鑑 先生
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