ロボットは服をたたむのが苦手!?
ロボットの意外な苦手分野
ひと昔前まではアニメなど空想の世界で活躍していたロボットも、今や現実の世界で活躍しています。例えば自動車の生産に作業ロボットが利用されていることはよく知られています。
自動車工場と言えば、ボディの塗装や溶接作業、重い部品の運搬など、すべての工程がロボットで自動化されているイメージがあるかもしれませんが、ロボットにも苦手な作業があります。それは、「組み立て」です。人間にとっては感覚的にできてしまう簡単な作業でも、ロボットにとっては難しい場合があるのです。また、技術的に不可能というわけではありませんが、生産ラインの規模が大きくなり、コストが高くなるという問題もあります。
ロボットが同僚!?
苦手だからと言って、組み立て作業にロボットが不要だというわけではありません。例えばある工場では、これまで屈強な男性が二人がかりで窓ガラスを車に取り付けていました。車の窓ガラスは大きくて重いパーツです。それを正確に取り付けるとなると、自分の腕力と技術だけでなく、息をピッタリと合わせてくれる熟練者のパートナーが必要でした。しかし、パワーと操作性に優れたアシストロボットをパートナーとして導入することで、あまり経験を積んでいない人や腕力のない人でも、この仕事ができるようになったのです。これは、ロボットのパワーと正確さ、人間の頭脳と感覚がお互いの苦手分野をカバーし合った結果だと言えます。
服をたたむのは高度な作業
ロボットが苦手な作業で、身近な例をもうひとつ紹介しておきます。実は、ロボットは服をたたむのが苦手です。服だけに限りませんが、ロボットは柔らかいものに対する作業が苦手なのです。柔らかいものは触れると変形します。それがどのように変形するのかを予測して作業することは、ロボットにとって非常に難しいことなのです。日々進歩しているロボットですが、これらの苦手分野をどのように克服するのかが今後の課題だと言えます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科 准教授 武居 直行 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
ロボット工学、機械工学、制御工学先生への質問
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?