応募書類から見えたベンチャー企業の課題
起業家たちの共通課題とは
「ビジネスコンテスト」を知っていますか。一般企業やベンチャー企業、スタートアップ企業などが、新しいビジネスやサービスなどのプランやアイデアを競うコンテストです。審査員たちは、書類審査を突破した応募者のプランを審査して実現の可能性を評価します。そして優れたプランを出した企業に、助成金やアドバイザーを付けるなどの支援を行います。
ただ、成長が期待される優秀な企業でも何か課題を抱えているものです。それを数千社単位で調べて分析すると、分野や業種ごとに課題のパターンがあることが見えてきます。そのパターンを効率的に見つけ出すのに役立つのが応募書類です。書類には自社のプランに対する強みのほかに課題も書かれているので、AI技術を使って膨大な書類データから共通のパターンを見つけ出すのです。
打ち出される有効な支援
最近は、医療用機器といったヘルスケア関係に乗りだすベンチャー企業が増えています。彼らを調べると、多くがマーケティングやセールスに課題を抱えていることがわかりました。取引先となる病院や医療系企業への新規参入のハードルが高いため、売り込みに苦労しているのです。マーケティングに課題を持つヘルスケア関係企業がある一方で、人材や資金面に課題を持つ分野の企業もあれば、同じ業種でも企業の成長段階で課題も変わることが明らかになってきました。こうした共通のパターンがわかると、行政や投資家たちは有効な支援を最大限に打ち出しやすくなります。
実はベンチャーの歴史も深い京都
昔から伝統工芸が盛んな京都は、京セラや堀場製作所など、特定領域に強い多くのグローバル企業を輩出してきました。古都として有名な京都で今も多くのベンチャー企業が誕生しているのは、京都に「挑戦を促す風土」があることが関係しているようです。挑戦する企業を応援する土地柄の京都で、成長する企業の魅力が世界へ発信されて海外企業との交流が盛んになれば、さらに新たな支援のヒントが生まれるでしょう。
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