講義No.14134 社会福祉学

障害のある人もない人も、大切なQualiyt of life

障害のある人もない人も、大切なQualiyt of life

障害はどこにあるのか?

障害は個人の側にあるのでしょうか。社会の側にあるのでしょうか。障害に対する考え方は、時代とともに大きく変わってきました。福祉学では、個人と環境の間に生まれるギャップ(=障害)に着目し、個人や環境にどのように働きかけるかを考えることによって、支援や問題解決のアプローチを探ります。自由に出かけたり、働いたり、学んだり……誰もが普遍的に持っている権利を、障害のある人も同じように持てているかどうか、そのためにどのような環境や社会のありかたが大切になるか、人権の視点に根差した研究がされています。

人を中心に支援を考える

福祉学の研究は、「常に現場に立ち戻る」のが特徴です。現場で起きていることをどう理論化するか、あるいは理論をどう実践するか、両方を行き来しながら、個人、組織、制度レベルで探求します。障害のある人の支援についていえば、障害当事者の声や経験を大切にすることが大前提であることは、国際的な共通認識となってきました。特に、知的障害のある人の声は軽んじられやすかった歴史的経過もありますが、最近では知的障害当事者の人が共同研究者となるインクルーシブリサーチにも注目が集まっています。

Quality of lifeを求めて

一人ひとりの声を大事にすること、一人ひとりの暮らしを大切にするためにどうしたらよいかを考えるのも福祉学においては重要なテーマです。日本では、知的障害のある人の場合には、成人後も家族と暮らし続ける人が圧倒的に多く、自分がどうしたいかよりも、親や家族のライフスタイルに合わせることになりがちです。誰もが、一人で何でもできるようになったから独立するわけではありません。また、誰もが親元を独立したいと願うわけではありませんが、何かができなくてもできないままで自立は可能だという道筋を示していくことも、人権やQuality of lifeの視点からは重要なことだと考えられます。

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先生情報 / 大学情報

龍谷大学 社会学部 総合社会学科 現代福祉領域 ※2025年4月新設 准教授 立田 瑞穂 先生

龍谷大学 社会学部 総合社会学科 現代福祉領域 ※2025年4月新設 准教授 立田 瑞穂 先生

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障害福祉学

メッセージ

私は、人生に迷っていた時期に、知的障害の人たちとともに働く機会を得ました。私自身を含めて、さまざまな違いがあるもの同士、わかり合うには、表情、ジェスチャーなど五感を総動員しないといけません。人と人とはわからないことを前提にして、それでも関わることが大事だと感じました。今を大事に生きれば、その先の将来は自然と豊かになっていくような気がします。高校生の今だから経験できることを大事にしてください。

龍谷大学に関心を持ったあなたは

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あなただけの世界から、私たちを想う世界へ

あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む。それが、龍谷大学の教育のあり方です。自分自身を省み、人の痛みに感応して、他者を受け容れ理解する力を持つ。人類が直面するリアルな課題と真摯に向き合う。そして様々な学びを通じて本質を見極める目を養い、自らの可能性を広げていきます。