生活習慣の改善をグループワークで
生活習慣病
運動・食事・睡眠といった生活習慣が乱れると、勉強や運動のパフォーマンスが低下します。さらに、生活習慣の乱れの蓄積は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因になります。食生活が西洋化して慢性的な運動不足になりやすい現代社会では、生活習慣病の有病者やその予備軍が年々増加しており、日本の医療費増加の一因にもなっています。生活習慣病の予防や改善は、個人の問題にとどまらず、国や自治体にとっても重要な課題なのです。
グループワークで改善
生活習慣病の予防や改善には生活習慣を見直す必要がありますが、日々の習慣を変えて維持することは簡単ではありません。そこで、自治体などは健康教室を開催して、集団での改善に取り組んでいます。ただし、医師など有識者の講義形式では、知識は得られても実践の方法がわかりにくいのが課題でした。
そのため、より効果の高い方法として、同じ生活習慣病を持つ人を集めたグループワークが取り入れられています。「歩数を伸ばすにはどうしたら良いか」といった毎回のテーマについてグループで話し合い、意見を整理して発表するのです。月に1回の健康教室を半年間にわたって開催したところ、2カ月目以降は1日1,500歩程度の歩数が増加して、教室が終了した半年後の調査でも、増加した歩数の継続が見られました。
発症の若年化
このような行動変容には、無関心の時期、関心が生まれた時期、実行前の準備期、実行期、継続期の5段階があります。教室の参加者は、自分が属するより上の段階にいる人をモデルとして、その人の情報をまねることで行動変容が実現しやすかったと考えられます。
近年は、生活習慣病の発症年齢の低下傾向が見られます。デジタル化が進む生活による身体活動量の減少が大きな要因です。不適切な生活習慣が定着する前の若い頃に改善することが大切であり、今後は健康教室も高齢者に対応するだけでなく、若者の参加者を見据えた取り組みが求められています。
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