「手」で考えるプロダクトデザイン

「手」で考えるプロダクトデザイン

プロダクトデザインって何?

日用品や家具といった製品をデザインする分野を「プロダクトデザイン」といいます。見た目や機能はもちろん、安全性や、ユーザーにとっての使用感も考えなければなりません。製品コンセプトや市場調査の結果を踏まえた提案を行い、メーカーなどと連携して「売れる製品」を生み出します。自分の好きなデザインに専念するだけではなく、ユーザーやメーカーの要望を踏まえたうえで、ユーザーに喜んでもらうというゴールに向けてデザインしていきます。

世の中の「欲しい」を形に

日頃から使う製品のほかに、世間が必要とするものを新たにデザインするのも、プロダクトデザインの役目です。例えば仏壇です。今の日本の住宅環境は、ライフスタイルの変化に伴い、仏間どころか仏壇を置くスペースさえ無くなりつつあります。そのような環境でも先祖を供養する仏壇が欲しいという要望に応えるために、コンパクトな仏壇が販売されています。今までになかったような製品を提案するには、購買層や需要の有無、価格に見合った適正な素材や、一般家庭の環境になじむデザインといった、あらゆる要素を考慮して方向性を決めて、制作にとりかかります。

「手」で考えるモノづくり

このようなプロダクトデザインも、確かな技術があってこそ可能です。こうしたデザインでは、図面を引いて模型を作るやり方や、ダイレクトに粘土などで模型を作っていくラピッドプロトタイピングという手法もあります。以前は人の手で行っていましたが、最近は3Dプリンタも用いられています。3Dプリンタを使うのは効率的で楽なようですが、事前に模型のデータが必要で、そこには構造の強度や、使用に適した素材についての知識が必要です。モノづくりでは、どんなに性能の良い機械が導入されても、大事な工程では人による確認とチェックが行われます。人の経験や指先の感覚が、ユーザーの安心と信頼につながるからです。より精度の高いモノづくりには、「手」で考えることが求められます。

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名古屋造形大学 造形学部 空間作法領域 教授 鈴木 光太 先生

名古屋造形大学 造形学部 空間作法領域 教授 鈴木 光太 先生

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メッセージ

大学は、入学がゴールではありません。むしろ入学をスタートとして、自分から積極的に学んでいく場が大学です。納得のスタートを切るために、高校生のうちからやりたいことや、将来どうなりたいかを見定めることをお勧めします。視野が狭まっていると気づいたら、視野を広げて自分の学びができる場を探してみましょう。学ぶ目的が明確になると、自ずと進むべき道が見えてきます。大学4年間は、あなたの将来を左右します。4年後、あなたはどうなっていたいですか? ぜひ一度、じっくり考えてみてください。

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