映像表現の可能性を広げる「モーション・グラフィックス」
身近にあるモーション・グラフィックス
デザインの世界で今後の広がりが期待されるジャンルに、「モーション・グラフィックス」があります。これは、文字や写真、イラストなどの平面的なグラフィックデザインに、動きや音の要素を加えたグラフィック表現で、映画や映像的なアートとは違い、他者とのコミュニケーションを図ることを目的としています。
用いられる分野は非常に幅広く、身近なところでは、テレビ番組のタイトル映像やCM、電車の案内画面、街頭のサイン広告、美術館などで見られる、タブレットを使ったナビゲーションなど、見過ごしがちですが、私たちの周りのさまざまな場所、場面で、モーション・グラフィックスが使われているのです。
技術革新で映像を使った表現が手軽に
モーション・グラフィックスの歴史は、映写機の発明まで遡ることができますが、デザインの世界で一般化したのは1980年代からと言えます。当時は映画のタイトルやテレビCM、PVなどで使われる程度でしたが、コンピュータ、デジタル機器などの技術の進歩、インターネットの発達などにより、現在では映像を使った多様な表現が可能になってきました。
例えば、今話題の、映像を建物に投影する「プロジェクションマッピング」もそうした新しい表現のひとつです。さらに、映像がどのように使われるかというところまで想定し、映像を作る仕組みをデザインしたり、映像をインタラクティブ(双方向)に展開したりするといった新しい手法も生み出されています。
新しいメディアや仕事も生み出す
映像を利用したコミュニケーションツールであるモーション・グラフィックスは、今後も利用される場面、表現の広がりだけでなく、新しいメディアや職業の創出など、これから学ぶ上でも非常に可能性のある分野だと言えます。
普段から美術展で映像作品を見たり、ウェブの動画を見たり、街中のさまざまな映像に注目することで、「こんなこともできるんだ」と、映像表現の新しい技術や可能性を感じることができるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
神戸芸術工科大学 芸術工学部 ビジュアルデザイン学科 教授 榮元 正博 先生
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