アスリートをサポートするスポーツテーピング

 アスリートをサポートするスポーツテーピング

スポーツテーピングの重要性

「テーピング」はスポーツ選手が試合中にけがをした際の応急処置や、けがの予防や再発防止、またリハビリ期のサポートなどに欠かせないものです。しかし巻き方を間違えると、かえって選手の可動域を極端に狭めてしまい、パフォーマンスを低下させたり、再度のけがにつながったりするため、正しい知識と正確な技術が必要です。
試合中にテーピングが必要なスポーツは主に「コンタクトスポーツ」です。選手同士が接触することが多い競技のことで、柔道やサッカー、アメリカンフットボール、ラグビーなどが挙げられます。

アスリートのパフォーマンス向上のために

スポーツ競技の現場でテーピングを行うのは、主に「アスレティックトレーナー」の役割です。スポーツ選手のパフォーマンス向上のために、けがの予防やケア、疲労回復などを行う専門家です。現場ではスポーツドクターやコーチなどと連携しながら、選手のけが予防やけがをした場合の応急処置や、リハビリ、コンディショニングなどを行います。テーピングはアスレティックトレーナーにとっては必須のスキルなのです。

正しい知識と技術が必須

テーピングには、「関節の固定」「関節可動域の確保」「内出血や肉離れなどの圧迫」の3つの原理原則があります。重要なのは、まず関節や筋肉など人体の構造を理解して、競技特性をふまえて目的に応じた正しいテーピングを施すことです。そのためには、基本的な巻き方はもちろん、それを応用した各競技特有のテーピング、巻き方の違いによる効果継続時間の比較やより効果的な巻き方などのデータを集めて、技術を研究することが重要です。またその研究結果を広く普及して、トレーナーの経験の差によってテーピング技術に大きな差が生まれないように全体技術の底上げも大切です。現在、テーピング法についての書籍などがたくさん出ていますが、今後は動画を使うことでの正しいテーピングの普及の機会が増えていくでしょう。

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SBC東京医療大学 健康科学部 整復医療・トレーナー学科 教授 野田 哲由 先生

SBC東京医療大学 健康科学部 整復医療・トレーナー学科 教授 野田 哲由 先生

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メッセージ

スポーツトレーナーやアスレティックトレーナーになるのに必須の資格はありません。しかし、実際に活躍するには、人体の構造を理解して、骨や関節、筋肉などの仕組みや可動性、医学的知識、スポーツ競技それぞれの特性などを理解しなければなりません。トレーナーをめざすなら、理学療法士や鍼灸(しんきゅう)師、柔道整復師の国家資格を持っていると大変有利です。コンタクトスポーツに多い脱臼の応急処置ができるのは、医師以外では柔道整復師のみということもあり、特にこの資格は注目されています。

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