運動が苦手な人に吉報! 食べ物で体を良い状態に

運動が苦手な人に吉報! 食べ物で体を良い状態に

体は、食べ物で作られる

世界的な健康志向で、生活習慣病やメタボリックシンドロームに予防効果のある食材に、高い関心が持たれています。本来、健康に一番良いのは運動ですが、忙しくて毎日体を動かせないという人はもちろん、運動が苦手な人、疾患があって思うように体を動かせない人もいます。そこで、運動以外の有効な手段が食べ物です。人間の体は、日々の食事によって作られているからです。どのような食べ物が良いでしょうか。また、体のどの部分に作用すれば、健康な体を作ることができるでしょうか。

筋肉を健康にすれば、体も健康に

人の運動機能をつかさどるのは、筋肉です。高齢者がつまずいて転んでケガをするのは、この筋肉の衰えが原因といわれます。筋肉を鍛えるにしても、若い人と同じような鍛え方は高齢者には無理です。しかし、鍛えないまでも、食べ物によって筋肉を良い状態に保つことは可能だと考えられます。
筋肉の繊維には、大きく2種類あります。1つは持久力、もう1つが瞬発力に関係する筋肉で、高齢者に不足しているのは瞬発力の筋肉です。この瞬発力をつかさどる筋線維に作用するのではと研究されているのが、「赤ビーツ」です。ウクライナやロシアなどで食べられるスープ、ボルシチで使われる食材で、見た目は赤カブに似た、鮮やかな深紅色が特徴です。その赤ビーツから、機能的な成分を抽出します。それが瞬発力をつかさどる筋線維細胞に、どのように作用するかの研究では、実際に筋線維の質に変化が見られています。

食べ物で健康維持を

おせち料理に欠かせない「くわい」に含まれる成分が、肝臓の代謝を向上させるという研究もあります。肝機能の低下とメタボリックシンドロームとは、密接な関係があるので、健康維持に有効な食材として期待できるでしょう。これからも、体の機能維持に役立つ食べ物の価値は上がります。身近にある食材から、知られていない健康効果が、まだまだ発見されるかもしれません。

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帝塚山学院大学 食環境学部 食イノベーション学科 教授 足達 哲也 先生

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メッセージ

高校で学ぶ科目は、しっかり勉強しておきましょう。高校での学びなしに、大学で教育を受け、研究することはできないからです。
文理系問わず、特に国語力をしっかり養ってください。言葉で表現できなければ、せっかく良い研究ができても相手に伝わりません。また、英語力も大切です。特に新しい研究分野の論文は、英語で書かれているからです。その英語力のベースもやはり国語力です。高校のうちに国語を中心に得意科目という武器を増やし、将来の選択肢を広げましょう。化学や生物の考え方も必要となりますので、可能な限り化学・生物は履修しておいてください。

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